9/5のしゅちょう
            文は田島薫

(戦争を止める方法、について 17)


今朝ロシア側とウクライナ側の他西側諸国の報道を紹介する比較的公平な

「国際報道」ってテレビを観てたら、ロシアの兵士のひとりが何ヶ月か戦

闘に参加した後自国の軍事行動に疑いを感じだして、戦列から逃走したら、

禁固15年の有罪が科せられ、さらに西側国へ逃亡してインタビューに応え

てたんだけど、ロシア兵士の志気はどんどん下がっていて、自分と同じよ

うに感じている者が多くいるとのことだった。それに、自分のように、脱

走兵の有罪宣告を受けて留置されると、拷問などを受けて命の保証もない、

らしい。

先日亡くなったゴルバチョフ元大統領は発言の自由や情報公開などロシア

の民主化を進めたんだけど、おかげで各地で民族独立運動が起き、ソ連時

代の国の統制力が落ちたことで、プ−チン大統領はその民主化に反対のよ

うで、言論統制に逆戻りさせ、西側からの報道はすべてフェイク、って断

定してるため、それを信じてる国民も多くいるようなんで、兵士の中にも

無邪気にロシアの正義を信じてる者も疑問を持ってる者もいるのだろう。

わが国だって、戦時下は今のプ−チン大統領のロシアと同様の言論統制が

あったのだからそういう状況ならば、どこの国民でも権力に反対をするこ

とが難しいわけで、それについては、ロシア側よりは正当防衛的な理があ

るにしてもウクライナ側だって、ゼレンスキー大統領は成人男子に兵役を

強制してるわけだから、戦争下の国民個々の心情は双方にさほどの違いは

ないはずなのだ。

国の報道を無邪気に受けてるなら、戦争する自国の正当性を信じてしまう

か、特に戦場にいない層は信じることで安心したい、って心情だろう。

ところが、常に悲劇の最前線は、身内や仲間が死んで行ったり、自分の身

を守るためにやむおえず相手を殺したりする戦闘現場なのだ。

ロシアから離脱したかつての同胞国が歴史的に敵対する西側の軍事同盟に

加わる、ってことに怒るプ−チン大統領の立場は西側の立場であっても、

全く理解できない、ってことではないわけなのに、西側は民主主義を正義

の御旗にして、頭ごなしに独裁プ−チン政権を悪と批判して、ウクライナ

側の反撃も正当なものとして支持してるんだけど、完全な正義なんてもの

はどこにも元々ないんであって、プ−チン大統領もそれなりの良心、って

もので軍事侵攻もあったのかも、って西側もウクライナ側も100歩譲って

停戦交渉を進めるべきで、条件が合わないから妥協できない、って双方が

言ってるうちに、無垢な命もさらに失われ、相互の関係修復も遠のくのだ

から、まず、その双方の人命保護を第一に各国は収束努力すべきなのだ。




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