8/1のしゅちょう
            文は田島薫

(戦争を止める方法、について 12)


ウクライナの戦闘は現在も継続中で、停戦に向けた動きは鈍く、プーチン

大統領はウクライナの親ロシア派住民の解放のために徹底抗戦する、って

言ってるし、ゼレンスキー大統領は、悪のロシアから祖国を奪還して自由

を守るため命を惜しまず徹底抗戦する、って欧州議会で演説して、それに

感激した通訳が泣いたりしてるんだけど、命を賭けてるのは安全なシェル

ターにいる大統領じゃなくて前線の兵士だし、それはウクライナ側もロシ

ア側も同じだし、住宅を爆撃されるウクライナの住民も命を賭けてるんだ

けど、その前線で仲間や家族の生死を経験してる国民たちも、大統領と同

じ気持かどうかは疑問だ。

国の自由を守るために戦ってる間に、いつ飛んで来るかわからない相手か

らの攻撃で命を落とすかもしれない、ことに穏やかに納得できる者はさほ

どいないんじゃないかと私は思う。

悪のロシアから自由を守る戦い、って聞くと、崇高な気分になって、死ん

でもいいか、って一瞬思う者もいるんだろうけど、それはあらゆる戦争が

味方の正義を謳い、敵の悪を糾弾するパターンを、為政者が喧伝するのに

騙されてしまうからなんであって、始まった戦争にどっちがより正義だっ

たか、なんて、戦争を終えてから検証するしかないのだし、殺しあう双方

が悪である戦争は、率先し妥協し合って即刻やめるのがいいのだ。

たしかに、武力侵攻したロシアは悪い、って言えるだろうけど、侵攻する

にいたった理由を、ロシア側も持っているのだし、例えば、ウクライナの

親ロシア派住民に対しての反ロシア派による武力攻撃や虐待、ってことを

プ−チン大統領は指摘して、それを西側の調査団などはその事実を検証で

きなかった、って言うんだけど、それはあくまで西側の立場であって、火

のないところに煙りは立たない、ってぐらいの些細なことでもロシア側に

も、主張するだけの根拠があるはずなのに、それについてのロシア側の訴

えに耳を貸さずに、悪と断言してしまうんじゃ、停戦交渉の可能性を西側

が潰してる、って状況だろうし、ひょっとすると、西側は戦争を続けても

らってもいい、って考えてる軍事産業に牛耳られてるのかも。

毎回同じようなこと言ってるんだけど、ウクライナ=正義、ロシア=悪、っ

て構図を信じ切ってるのは西側だけだ、ってことに気づいて、ゼレンスキ

−大統領も、自由を謳うことに酔い過ぎずに、罪を憎んで人を憎まず、と

プ−チン大統領にも敬意を示しつつ謙虚にロシア側と戦争終結交渉を、一

刻も早く進めるのが国民の命と自由を守る早道なのだ。




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