5/3のしゅちょう
            文は田島薫

(同調圧力、について)


世の中、特にわが国では、同調圧力、ってもんに満ちあふれてるのか、少し

世間と違う生活してると、奇異なモノを見るような評価をされがちのようで、

実際、私自身が体験してることでもあるんだけど、たとえば、外壁が杉板の

家を建てた時は、近所のおやじや、リフォーム業者から、ちゃんとした外壁

に直した方がいい、などと大きなお世話のアドバイスを受けたり、庭に雑草

を生やしたままだと、刈ってきれいにした方がいい、って言われたり、ボロ

ボロだけどブレーキも効くしフレームもしっかりしてる自転車を自転車屋に

修理に出すと、あぶないから買い替えた方がいい、などと言われる。

冷静に考えれば、消費経済社会にあって業者が、そういったことを言うのは

当たり前なんで、それをいちいち鵜のみに受け入れる必要はないはずなのに、

一般にはよっぽどの貧困家庭以外の多くがしょっちゅう家のリフォームはす

るし、車も新しいうちに乗り換えたりで、それの費用をかせぐせいもあって

か、毎日遅くまで共稼ぎやってたり。

なんだか、どの家でもいつもとなりの家と自分の家を比較しては新しそうな

ものを揃えるのに頑張ってるんじゃないか、って見えるほど、同じような家

や新車が並んで、同じようなきれいな服を着た親が子どもに同じような塾通

いをさせて忙しく日々を送ってたり。

それで家族全員楽しく生活してるんならそれはそれでいいのかもしれないん

だけど、どうも、親も子どもも、なんだか日々やらなければならないノルマ

をかかえてるのか、普段の表情も少し辛そうに見える。

ソーシャルネットワークサービス、私も友人に勧められて参加してるんだけ

ど、テキトーに他人の考えてることやなんかを見せてもらうのは、楽しいも

のの、一方的にそれやってるだけじゃ、相手にも失礼じゃないか、とも思う

んで、自分のページにも週1ぐらいはなんか載せておこう、ってことにして

ると、何人かの友人や、ごくたまに知らない外国人などから、いいね、をも

らえたりすると、たしかにうれしいんで、それがエスカレートしてのめり込

む人の気持もわからなくはないけど、やっぱり、ほどほどがいいと思う。

どうも、アクセス数の多いそういったものを見てるうちに、私もなんだか気

楽に同調しちゃう気分になることがあるんだけど、どんなに共感して支持し

てる友人のでも、自分が本気で感じてるかどうかを確認したり、考えたりし

てみるクセをつけないことには、自分がだれなのか忘れてしまうことになる

のだから、お互い気をつけようではないか。


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