5/17のしゅちょう
            文は田島薫

(エセ民主主義者たち、について)


欧米諸国とわが国は自由経済と民主主義の国で、中国や北朝鮮なんかは独裁

主義の国で民主化すべき遅れた国だ、って国民の多くも思ってるようなんだ

けど、われわれの側の国々が民主主義がきちんと機能してて、その立場から

人権侵害などを批判してることに反発する中国などは、理不尽で間違ってる

のだ、ってはたしてほんとに言い切れるんだろうか。

民主主義そのものについても、民衆の意見を寄せ集める多数決が衆愚政治に

なって結果が悪くなるよりは、人徳ある先制君主の独裁政治の方が結果よい、

ってこともありそうなわけで。

それでも、たとえ結果が悪くなったとしても、民衆たちの意見を重視して政

治を行う、って原則なら、いつでも問題が生じた時に修正してやり直しもで

きるはずなのだから独裁よりはいいはずなのだ。

ところが、民主主義政治という形に隠れてずるをするいわばエセ民主主義者

たちがいて、フェイクニュースを流して政敵を貶めたり、民衆をだましたり

多数決の票を裏工作で獲得しようとしたりして、表面上は民主的な手続きで

政治が行われてるように見えても、悲惨な状況になる人々が出たり、元々悲

惨な状況の人々がずっと放置されたまま、ってことも起きる。

このほど、イスラエルの首相はパレスチナのガザ地区にある各国のジャーナ

リストが集まるビルを爆撃し倒壊させた。

民主主義国家であるはずのイスラエルが自国の政策を批判するメディアの言

論を武力で封じた、ってことなんだけど、これで民主主義国家、って言える

のかどうか、多分、民主主義は自国内についてだけで、自国と敵対する国は

非民主主義の悪の国と決めつけて、だからその国民の意志は無視してもいい

のだ、と考えてるようだ。

パレスチナの国民にすれば、国連決議も無視して武力でどんどん自国の土地

を侵略入植して来て、壁まで建設して自分たちを囲い込むイスラエルにささ

やかな武力抵抗をしてるだけなのに、10倍100倍返しの住居破壊や殺りくが

くり返されてるのだから、それを支持する米国にだってテロはなくならない

だろうし、パレスチナの悲惨も終わらないだろう。

コロナを中国は独裁的手法で国民を統制して早期に危機脱出したけど、民主

主義の米国は、50万以上の死者を出し、それでもワクチンで収束に向ってる

一方、わが国は、首相が自分と意見の異なる学者の意見を軽視したり任命拒

否したり、公文書偽造させたり消却させたり情報公開文書もスミベタで見せ

ないようにさせたりしてる中で、ワクチン開発なんかちっとも眼中になくて、

事態が切羽詰まってから慌てて、他国に提供を頼んだもんで、国民にいつ行

きわたるか不明、って状況の中、オリンピックは強行しようとしてて、まだ

切羽詰まってない、って言い張ってるのは、民主主義なのかどうなのか。


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