12/27のしゅちょう
            文は田島薫

(経済制裁の短絡思考性、について)


中国の新疆ウィグル自治区のイスラム系住民が強制収容やら再教育やらされ、

人権を無視した過酷な労働を強いられてる、ってことに抗議して米国は大統

領主導でその地区で作られた製品の輸入を拒否する宣言がなされ、それに同

調する国々も出て来たようなんだけど、こういった経済制裁を呑気な米国は

気軽にたびたびやるんだけど、それは短絡的な浅知恵だろう。

だって、中国政府の漢民族に反発して独立運動起こしたりする者もいるから

といっても、中国政府がそのイスラム民族全体を弾圧したり強制教育するの

は人権侵害に違いないわけで、その中国政府に対して批判をすることはわる

いことじゃないだろうけど、だからと言って中国を経済制裁で懲らしめて改

心させてやろう、って力ずくでやって中国がそれを容認するのはまずありえ

ないばかりか、差別や問題があるにしてもその新疆ウィグル自治区の生産経

済活動のじゃまをすることによって、当の生産に従事するウィグル人の人々

の待遇がより過酷になる可能性の方が大きいだろう。

その場合、よりいいのは、ウイグル地区からの製品が安いのであれば、正当

な価格を払い輸入を容認し、その差額をウィグルの労働者に還元するように

訴える方がとりあえず、住民のためになるだろう。

中国政府はそんな訴えを無視するかもしれないけど、すくなくとも、敵意を

向けられて困らせられる経済制裁よりは「改心」のきっかけになるだろう。

中国のGDPが日本を抜いて2位になった、って言っても、1位の米国より人口

が4.4倍、3位の日本より11倍も多いのだから、一人当りの経済的余裕はまだ

まだとも言えて、気軽に経済制裁されると痛い部分もあるはずなのだ。

これは中国に限らず、もっと切実な餓死者が出てた時の北朝鮮なんかにも、

わが国は拉致問題を理由に経済制裁したことがあったんだけど、当時の自民

党員なのに今みたいに他人の顔色ばかりみてるのと違う鈴木宗男議員は食料

10万トンだかを送るように主張したことに私は賛成したい。

軍事費に使う金を食料費に使えばいいのだ、って上から目線で主張するよう

な政治家は苦労をしらない認識不足者で、短絡思考しかできてないのだ。

経済制裁で懲らしめてやる、って手法はもう現実には時代錯誤で、人権を謳

う立場にいる者なら自ら人権侵害の現行犯になることはやめるべきだ。


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