予定稿
そとは雪である。
例年なら雪にあそぶ子供らの声でにぎやかなのだが今年はコロナのたたりか雪遊び
をするこどもの姿が見当たらない。
だれも踏んでないまっさらな雪を見ると「初雪や 二の字二の字の 下駄のあと」
という句を思い出す。
この「初雪や」ではじまる有名な句は「雪の朝 二の字二の字の 下駄のあと」が
本当で、江戸時代の田捨女という女流歌人が、なんと6歳のときに詠んだ句だそう
だ。では「初雪や」はどこから出たかというと「雑俳」という落語のなかに出てく
る……とかなんとかフェイクコラムでごまかすつもりでいたけど、今日は雪になら
なかった。
じつはこれは予定稿である。なんとなく先が読めている事件や、こまかく内容を書
いている時間がないときにあらかじめ下書きをしておく。スクープとはちがって手
抜きのようなものだ。当たればいいけど外れたときは先を見る目のなさで情けない
思いをする。
マスコミの予定稿は誤りがあれば書き直すけど、政治屋さんの予定というやつは一
度決めたらなかなか改めない。熱が続かなきゃPCR検査はさせないし、効果が少な
くても決めたマスクは捨てるほど作り、いかに感染が増えようともGoTo GoToと
税金を使って人出を煽る。
まだある。入院したくても入れる病院がないというのに、入院拒否に対する罰則を
もりこんだコロナ特措法の成立に夢中になっている。おかしいと思ったら、これオ
リンピックのためだ。異人さんは自粛なんてものはやらないから法で規制しなきゃ
ならないのはわかるけど、ほんとにオリンピックやるのかね。 |