7/16のしゅちょう
            文は田島薫

(笑顔より大事なもの、について)


たいていの人々は毎日他人となんらかの交流をしながら生活してて、その他人の中

でも、だれそれはいつも優しい笑顔で接してくれる感じのいい人だ、って言ったり、

逆に、だれそれはいつも不機嫌そうで、感じのわるい人だ、って言ったりする。

まあ、それはたいていの人が等しく感じる普通の感情で、不機嫌そうな顔をしてる

よりはできれば楽しそうな顔をしてた方が周囲も気持がいいだろう。

そういった人の心理を活用してるのはいろいろなお客を相手にする商売人たちで、

本心に相手のお客への好意があろうがなかろうが笑顔をふりまくわけで、お客の方

はそれを知ってても、笑顔を向けられればなんとなく好意的な気分にもなるもんで、

平和的な雰囲気を広げる、って意味でそれ自体は悪いことではないし、できれば、

心からの好意を心がけながらのそれは世界平和にも役立つだろう。

ところが、この笑顔がそういった相手を尊重して使うのと違った笑顔もあるわけで、

例えば、詐欺師の笑顔はいかにも相手のためを思って、と言った風に見せかけてる

だけで、感じのいい人だと思って話に乗った後、金銭的大被害を受けたことがわか

りそれの返還を求めたりすると突然鬼の顔に変わったりもするわけだし、逆にずっ

と無愛想な顔してても陰で人助けする人もいるわけで。

安倍首相がトランプ大統領に向ける笑顔は、軍事同盟よろしくお願いします、って

お愛想かもしれないし、大統領の方の笑顔は、軍事協力してやってんだから、そっ

ちの方も軍用機なんかをいっぱい買ってくれよ、って言う余裕かもしれない。

そうやって商人でもある大統領から、笑顔同士で気分もよさそうに安倍首相気楽に

国民の税金を使って1機145億円もするらしいF35戦闘機、って過重量その他で機能

不全のやつを100何機も購入するような約束をさせられ続けてるのだ。

今度の日曜にある参議院選挙では、安倍首相が独裁を企む改憲の緊急事態条項など

について自民党は前面に出さず、経済とか国民生活に関する優しげなメッセージを

強調してるんで、ものを考えない国民はだまされそうだ。

国民が日々の生活の安定をまず考えるのは当然のことなんだけど、それは戦争が起

きない環境、ってことが大前提なのに、それが怪しい状況になりつつあるのは、実

は安倍自民党自身が原因だ、ってことを、自覚してるのか無自覚なのか、世界に戦

争の危機があるのは、今、核兵器開発をする北朝鮮やイランが原因だ、って言い張

り、それらの国がそれをやめない場合、武力攻撃もありうる、って言ってる米国と

行動を共にしようとしてる安倍自民党が一番戦争の危険性を高めてるのだ。

自国では大量の核兵器を所有しながら、おまえらがそれを持つつもりならいつでも

軍事攻撃する、って脅かす米国に笑顔を向けて、よしてくださいよ〜、って言うの

も手だろうけど、そうやったにもかかわらず軍事攻撃されて崩壊したイラク政権を

見れば、核兵器開発をやめるわけにはいかないのが人情ってもんなのだ。

米国は上から目線でそんな理不尽な要求を押し付けるんでなくて、まず自国の核兵

器を大量廃棄するかしてから、核兵器つくるなら管理をしっかりお願いする、って

ぐらいが正常な交渉ってもんじゃないのか、安倍首相がもしも万一、戦争なんかし

たくない、と本気で思ってるんなら、世界に無責任な笑顔ふりまいてる場合じゃな

いんで、もっと日本の平和憲法の生かし方について勉強したらいいのだ。


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