7/1のしゅちょう
            文は田島薫

(馬鹿げた自負心、について)


だれでも人は自分がなんらかの能力を持ってて、世の中の役に立ててるんだ、って

ことを自覚できた時に生きてる喜びを感じるんだろうし、逆に、自分はなんの役に

も立たないし、なんの能力もないのだ、って感じたら生きてるのが辛く感じる人の

方が多いんで、ほとんどの人々はそれぞれの持ち場で自分の能力を伸ばそう、って

がんばってる、ってのが世の中なんだろう。

だから、世の中、一見なんの取り柄もないように見える人でも、よく聞いてみると、

実は自分はこんなことをずっと続けてて、それについてはだれにも負けない、って

言ったり思ってたりも多々あるわけで。

そう考えると、偶然係わったことを見てその人を評価したとしても、その人を理解

したことにはならないわけだし、それぞれの自負心のようなものも、それぞれの活

力の源泉のようなものなんだからとりあえずわれわれは、自分以外の人すべてに敬

意を忘れずに接するのがいいはずなのだ。

で、それぞれがつつましい自負心を持って生きるのは大事なことだとしても、その

自負心が肥大化した時には馬鹿げたものになるんで気をつけたいものなのだ。

まだ何者でもない若者が、自分は自分の才能を信じてて、世の中のくだらない状況

を変えてやるのだ、って豪語して、友人から、口で言うだけならだれでもできる、

実際にやってみろよ、などとからかわれたりしてるのは長閑な状況だけど、すでに

社会に出てて、それなりの地位にいて、自分の能力を過信しちゃ、周囲の能力を過

小評価して一切耳を貸さない、ってようなのは馬鹿げた状況だろう。

それから、自分自身の能力だけでなく民族やら国などを特別優秀なもんだ、って信

じて公言し、他国に対して尊大な態度を取る場合もそれに当るだろう。

そう考えて、今すぐに思い当るのが、わが国の安倍首相を筆頭の自民党政権であり、

米国のトランプ大統領率いる共和党政権だろう。

戦中の加害者である自分の立場をすっかり忘れたように、北朝鮮に、上から目線で

核開発を非難したり拉致被害者を返さないと経済制裁だ、って言ったり韓国に、戦

後賠償は済んでる、って怒って見せたり、北朝鮮やイランに、自分とこは大量に持

ってる核を、あんたは危ない国だからそれを持ってはいけない、言うこと聞かない

なら経済援助してやんないし経済制裁だし軍事制裁もありうる、って威張ってるよ

うじゃ、いくら表面上の笑顔で交渉続けても相手国の心は開かないだろう。


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