12/9のしゅちょう
            文は田島薫

(豊かさ、ってことについて 2)


前回、豊かさは、ただ物が豊富にあるってことだけではない、って書いたんだ

けどそれは、わが国のような環境での衣食住に必要なものはだれでも最低限は

満たされてる、って条件の中での話で、世界には、その最低限の物さえ足りな

い場所があるわけだから、そんな地域に住む人々には、随分のんきなこと言っ

てるもんだ、って思われるだろう。

だから今回はその最低限の物を世界に行き渡らせるための方法についてわれわ

れにできることを私なりに考えてみた。

数日前にアフガンで銃撃され亡くなった中村哲さんは、35年前からパキスタン

とアフガンで医療活動に従事した後、医療活動よりも水があれば病気や食料不

足を防止できると、専門外の井戸掘りやら25キロもの用水路創りを続けて、砂

漠だった土地を緑に変えたんだけど、じゃ、例えば、そういうことをやろうか、

って私が思って自分や家族の現状の生活を捨ててやるようにはなかなか体が動

かないもんだから、それをができた人々に讃辞を感じるわけなのだ。

しかし、讃辞を感じるだけじゃなんの役にも立たないわけで、じゃ、せめて支

援の募金をしたら、って思って生活費いっぱいいっぱいで生活してるうちのい

くら出せるか考えて300円か?1000円だときついか?って考えたり、年1ぐら

いの旅行をやめれば数万円出せるんじゃないのか?って悩んだり。

で、余裕の金がない貧乏人(所得格差の下の層)ががんばって小金出すのも美

しいけど、もっと金出す以外でなにかできることはないのか、って考えたら、

とりあえず、他国の人々が貧しくなるようなことに加担することはやめ、でき

るだけそれが豊かになる方に加担しよう、ってことに。

豊かさを求められる物の第一は食料だとして、他国でそれが不足する人々が生

まれてる大きな原因のひとつは戦争だろう。

世界各地で内紛のような形で行われてる欧米各国が支援してる戦闘は現地の住

民にとっては戦争であり、あらゆる豊かさの基本である施設や耕地が破壊され

人の命さえ奪われ物の豊かさなどと切り離され裸でほうり出されたような難民

が増え続けてるのだ。

わが国や欧米各国があらゆる武器による軍事活動軍事支援は封印し、その莫大

な軍事費を対立組織との和平交渉や物資支援や経済支援に回す努力をしたら、

戦争を終わらせたり世界じゅうの人々を豊かにする近道になるだろう。

だからわれわれは、平和憲法順守の世論を広めたり、自国の政権が軍拡方針の

ようだったら、選挙で早急に引きずり下ろす努力をするのがいいのだ。


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