9/3のしゅちょう 文は田島薫
(好奇心の育て方、について)
年を重ねて来ると見るもの聞くものに新鮮な驚きを感じることが少なくなって来る
のは一般にはごく当り前のことなんだろうけど、80才を超えても旺盛な好奇心を持
って活動してるらしい人も多く見かける。
画家や科学者や音楽家なんか見ててそれを感じるのは、やってる仕事をやればやる
ほどそのテーマに限りがないことを感じ、日々発見があるせいなんだろう。
ところがきまった仕事のテーマを持たないで日々生活してて、ただテレビを受け身
でながめてるだけみたいだと、そういった感覚は育たないんだろう。
だから、なんでも自分の好きなことに達成の目標を持ってやりはじめるのがいいの
かもしれないし、すでになにかやった経験があるならそれをもう一度深化させる試
みをするのもいいかも。
熊谷守一は何十年も自分の家の庭の石ころや虫などの観察だけで飽きずに日々を送
ったし、きのうテレビで見た昆虫写真家も同じような生活を楽しんでいた。
自分が本気で楽しめてることが重要なんであって、他人から見て、あの人夢中なよ
うだけどなにがそんなに楽しいのかわからない、って思われたっていいのだ。
将棋好きでも釣り好きでもゲーム好きでもひょっとすると競馬好きでも、なんでも
夢中になれるものを持ってる人は幸せなんだろう多分。
要は、お膳立てされたものをただ受け身でやるんじゃなくて、それを新しい価値な
り見方なり方法なりを主体的に発見し深化させることができれば人は好奇心と充実
感を満たすことができるんだろう。
できれば、まだ他人がやってないテーマのことを自分が初めてやってるのだ、って
感じられたら最高だろうけど、それほどのことでなくても、自分の中だけで以前で
きなかったことが練習でできるようになってきた、ってだけでもその時、同様の幸
せを感じることができるようだから。
ちなみに、私は片足スクワットを練習でなんとか10回できるようになるまで、苦し
い中での充実感で、私は時間の流れを止め、永遠を手にしてた気がした。