きょうのしゅちょう
            文は田島薫

(他国人との会話、について


海外旅行するとその土地の人との会話がちゃんとできるかがいつも心配事項で、事

前に状況を想定した英会話を予習したりして行くのに、予想外の事態も起きたりし

て、きのう帰って来た米国旅行中もその都度苦戦することになった。

しかし、考えてみれば、そのどれも日常的な単純な会話で、中一程度の単語を知っ

てれば済むぐらいのもんで、さほど力む必要性は多分ないのだ。

泊まった格安ホテルではチェックアウトの時間が11時から11時半、って限定されて

て、8時にそれをしたいわれわれは事前にメールで問い合わせ、チェックインの時

に了解をとってたのにも係わらず、10分前だったけど当日カウンターで、チェック

アウトできるか?、って聞くと、「できない」、って言われたもんで、これは話が

通ってないな、って気持が慌て、さてなんて言おう、って作文を考えていた「え〜

と、チェックインの時にいた受付の女性に早い時間のチェックアウトの了解を得て

午前8時のそれを頼んであるんですが」って、ど〜言えばいいかな、ってちょっと

固い顔して考えてたら、さっさと家人がにこやかな顔して「We want check out 8

oclock」って、言ったら、あ〜、8時に出るお客さんですか、って話が成立。私も

多分最初に自分たちの名前を言ってたらそれだけで通じてたはずなのだ。

別件では、ホテルのシャワーの出し方がわかりにくくてたびたび聞かれてたのか、

チェックインの時受付の女性に教えられた時、レバーをプルダウン、ってところだ

け聞きとって、それをやったんだけど、うんともすんともシャワーの口から水が出

ないもんで、ひょっとして下の蛇口を引張るのかな、ってやってみたけど出ないん

で、こりゃ、これ以上の操作は考えられないから多分壊れてるんだ、って決めつけ、

受付に電話すっか、って、「え〜と、レバーをプルダウンして、下の蛇口も引張っ

たけどシャワーから水がでないです」ってなんて言えばい〜かな、って考えてると、

家人は電話を取って「Shower we can not」って言っただけで係り員が来て、こう

する、ってレバーと蛇口の操作は同じでも違うタイミングで水が出た。

壊れてる、ってすぐに決めつけないで、自分たちは操作できなかった、って謙虚に

伝える家人に、あ〜なるほど、って感心もしたのだ。

家人は普段私に英語の表現を聞いたりもするし、英語力がさほどあるわけじゃない

んだけど私より欧米旅行の経験が多い分コミュニケーション能力は高いようだ。

家人に言わせると、うまい英語を言おうと思わないで、何を伝えたいかそれの一番

のキーワードを並べるだけでいい、なるべく単純に、って、そう言えば、その後、

幹線わきの安いホテルのチェックインの時、受付の強面な黒人のおばさんがパスポ

ートをコピーする、って言うんで渡してから部屋に戻り、それを返してもらってな

いことに気づき慌てて受付へ戻り、忘れちまったい、って気持を込めて、「PASS

PORT! PASS PORT!」って叫んだだけで、おっと、って照れ笑いしたおばさんは、

了解してくれて無事にそれは戻ったからな〜。


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