6/4のしゅちょう 文は田島薫
(退勢からの立て直し、ってことについて)
きのう、全仏テニスの4回戦で現在世界ランク21位まで落ちた錦織が同8位の新鋭ティエ
ムとの対戦のテレビ中継を観たんだけど、剛速サーブに圧された錦織は、第1セットを
2ー6で落とし第2セットは0ー6、って惨敗、第3セットはもう無理だろう、って多分、だ
れもが感じてたところ、7ー5で1セット奪取、第4セットは4ー6でけっきょく負けたもの
の、第3セットからの退勢立て直しに感心した。
手首の負傷からの復帰もあり、自分の多少の動きの不足については納得済みだったり、
元々の実力とその自信がなせる技と言えばそれまでとしても、その精神の落ちつきのよ
うなところには私にも学ぶものがありそうな気がした。
第2セットでサービスゲームをすべてブレイクされ1ゲームも取れなかった時、私なら、
こりゃ酷いことになった、大勢の観客たちも呆れてんだろうな〜、このままやっても勝
ち目はないに決まってるから、参りました、って言っちゃおうかな〜、って思ったり、
第3セットは、焦り続けたまま馬鹿げたミスを連発してしまってたかもしれない。
ところが錦織は、第1セットと第2セットの自分の問題点を分析して、どういうわけか足
が動いてなくて、相手の高く跳ねて重い球に雑な入り方をしていて自分のミスが多かっ
たんで、もう少しじっくりプレーすることを心がけ無駄なミスを減らすように意識して
やったそうだ。ラリーが続けば相手も固くなっていたはずでもう一歩だった、って。
一流のプレイヤーは自分の状態をよく把握して、相手との関わりにおいても、自分がす
べき方向を必ず発見できるはず、って信念もありそれを試みるのだろう。
それでやってみた結果が仮にだめだったとしても、それについてきちんと総括して行く
ってことをくり返してるはずで、私が想像で感じたような、観衆に自分のかっこわるい
姿を見られたくない、ってような次元の発想してるヒマはないのだろう。
かっこわるい姿を見られたくない、ってつくろえばつくろうほど、ますますかっこわる
いことになるのが一般人の常、ってことで、一心にやるべきことに集中してれば、やが
ていい結果もついてくるし、無駄なストレスは不要なのだ。