1/29のしゅちょう
            文は田島薫

間違った恐怖心、について


安倍自民党は憲法改正に向けてさかんに国民を啓蒙しようと思ってるらしいんだけど、そ

の根拠が、国際テロや中国や北朝鮮などの軍事的脅威からわが国と国民の命を守るためだ、

って言ってるのが、全く馬鹿げた話なのだ。

その脅威を具体的に言えば、中国や北朝鮮が日本を侵略してくるかもしれない、ってこと

らしいんだけど、現実的にその心配をしてるのはむしろ中国や北朝鮮の方なのだ。

だって、米国はいくらでも平和的解決の方法はあるのに、北朝鮮の立場では無理である核

兵器開発の中止を頑に迫り、北朝鮮がそれを拒否したり軍事的動きを見せたらそれを口実

に北朝鮮の体制転覆を公言してるのだから。

中国としても米国にそれをされ、そこを足がかりに軍事侵攻でもされたりすることになれ

ばと、馬鹿げた時代錯誤状況になる可能性を感じてるだろうし。

そして、もし、米国がそれに追従したわが国の支えで北朝鮮に先制攻撃でもしたら、それ

こそ、安倍首相の言う中国や北朝鮮からの現実的脅威がふりかかることになるわけで、万

が一その脅威や戦争が生じたならば、それは中国や北朝鮮発ではなくて、米国とわが国政

府の側の愚策によってそうなった、ってことになるのだ。

とりあえず戦闘が起きても米国にとっては、ベトナムやイラクやリビアなどで経験済みの

軍事行動のひとつに過ぎないわけで、米国本土には危険がまだおよばない、って安心感と

気楽さがトランプ政権にあって、韓国日本周辺は大変なことになっても、却って米国の軍

事産業はそれで儲かるはずだからわるくない、ってもし少しでも考えてるんだとしたら、

安倍政権はトランプ政権に利用されたとんだピエロ、ってことになるのだし、事はそれだ

けの問題ではなくて、憲法改正だって、国民の命を守るんじゃなくて、国民の命をわざわ

ざ危険にさらす政策に励んでる、ってことになるのだ。

核兵器を先制攻撃に使う国がもしあるなら、それは自国の正当性を妄信し、他国が現実的

に自国や世界の人々の命を奪い続けてるような状況での緊急避難的な状況において、って

ことになるんだろうけど、そんな状況の現実性で言えば、米国の北朝鮮先制攻撃が北朝鮮

から見た場合、それに一番近いことになるだろう。

どこの国でもやってる自国の防衛をし、いくつもの国で保持してる核兵器を、米国側が悪

と烙印を押した小国に限っては、持ったら米国に先制攻撃するかも、ってありえないこと

を心配してわざわざ世界を危険な状況に向かわせてしまうのが馬鹿げた恐怖心なのだ。


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