8/1のしゅちょう 文は田島薫
(鳥越さんバッシングと一般庶民の傲慢、について)
都知事選で暴走する自民党政治に都から一片のくさびを打ちたい、って志で野党から出馬
した人気ジャーナリスト鳥越俊太郎さんが大差で落選させられた。
私は自民党の拡大する軍事政策に反対する鳥越さんに賛同する者なんだけど、国政にかか
わるテーマを動機に都知事に出馬することの有効性にちょっと疑問もあった上に、自己体
験に基づく、癌検診100%の実現、ってような、都民個々の自己責任でいいんじゃないか、
って感じさせる問題提起にも、バランスの悪さを感じたから、現実的諸問題に敏感な都民
の支持を集めるのは難しそうだと思ってはいた。
それでも、もし、都民の大多数がまだ政治にはアマチュアな鳥越さんを支持し、平和憲法
擁護の運動体になる宣言ができたのだったら、素晴しいことじゃないか、とも夢見た。
ところが、どうも、だれが策謀してるのか、週刊誌やユーチューブじゃいろんなB級芸能
ジャーナリストやら右翼作家やらからの鳥越バッシングが盛大に行われてて、それを読み
聞きした老若男女がいっしょに声をそろえてるようなもんが目立った。
そのバッシングの内容は昔、女性にセクハラ行為があった、ってありがちなもんから、演
説中、5才であるはずの終戦時の自分の年を20才、って言い間違えた(その後続いて21年
に小学校入学と言った)、とか、集団的自衛権法制の不要を主張するために、日本がどこ
の国から攻められる、って言うんですか?って言って、中国などから、って応えた元外交
官にそれは虚構です、って言った後、自分で個別的自衛権は必要だ、って言った時、どっ
から攻めて来るんですか?って切り返され、中国から、って言ってしまって、その言葉の
矛盾に気がつかない、とか、2004年ごろ中東で日本タンカーがテロにあった時、集団的自
衛権のない自衛隊はいなかったんで、多国籍軍から3名の犠牲を払って助けてもらった、
って元外交官が言うのを聞きながして、後に、日本のタンカーは守らないでいいのか、っ
て聞かれ、自衛隊が守んなきゃだめだ、ってようなこと言ったユーチューブでは、当然の
ことなんだろうけど、支離滅裂だ、ばかだ、ぼけだ、日本の恥だ、こんなのは無知な自分
でも論破できそう、って大盛り上がりの一言バッシングが並んだ。
鳥越さんの大雑把な表現ではやっぱり庶民を説得するには力が足りないようで、同じよう
なタイプの私にも他人事には思えないんだけど、鳥越さん、言い間違いや大雑把な点をの
ぞけば、言ってることは決して支離滅裂ではないのだ。
彼の主張の基本、個別的自衛権も不要だと言ってるわけでなくて、それがある限り、中国
や北朝鮮が日本本土に攻め込んでくることはない、集団的自衛権がなければ攻められる、
ってことがおかしい、って言ってるのだ。日本タンカーだって個別的自衛権で守る方策を
考えることだってできるはず、って言ってるのであって、米国の軍事政策に無批判に丸乗
りして集団的自衛権ありき、が常識のような発想が危険だ、って言ってるのだ。
第一中東でのタンカーのテロの危険だって、米国のイラク攻撃が発端だったわけで、そん
な軍事作戦に、はなから身を引き平和憲法で平和外交に専念するのが日本の道なのだ。
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