きみたちの気持ちがわかる
昨夜10日の選挙速報を見ていて、先日イギリスでおこなわれたEU離脱か残留かをあ
らそう国民投票の結果をみた残留派のイギリス国民になったような気分になった。
今回の参院選もイギリスの国民投票も正しい民主主義のルールのもとでおこなわれたの
で、その結果は尊重しなければならない。しかし、まったく自分と考えのちがう投票の
結果のもとで生活しなければならないことを思うと気がおもい。
また、安倍政権下の行く末を思うと、親ロシア派の台頭により国が分裂の危機に立たさ
れたウクライナの国民になったような気分でもある。
これは、もともとウクライナに住んでいる親ロシアのウクライナ国民が、ロシアの暴力
と謀略の後ろ盾で立ち上がったわけで、将来の結果によっては自分が望まない政治のも
とで生活しなければならなくなる。
一方安倍首相は、明治憲法の復活と明治政府型の国家運営を夢見ている。これが安倍首
相一人の夢であるなら問題はないが、日本会議のように天皇制国家、神道を前面に出す
という、やや原理主義的な団体が台頭してきている。戦後70年、ふやけた民主主義に
おぼれ政治の怖さを知らない国民は彼らのとなえる規律主義的な考えに魅力を抱かない
ともかぎらない。
先の大戦で多大の犠牲をはらい、ようやくまっとうな国が出来たと思っていたのに、ま
た狂信的国家に逆戻りするかもしれないと思うと恐怖を感じる。
手続きは民主的だがまったく自分の意志と正反対の結果をつきつけられたEU残留派イ
ギリス国民。
隣り合わせで親しく起居をともにした隣人が自分の望まない国家をつくるかもしれない
ウクライナ国民。
きみたちの気持ちがわかるような気がしてきた。 |