2/8のしゅちょう
            文は田島薫

北朝鮮の人工衛星打ち上げ実験、について


このほど北朝鮮が人工衛星打ち上げ実験をした、ってことについて、各国の報道が、

国連決議を無視して北朝鮮がミサイルを発射、といった表現で非難してるわけだけど、

こういったパターンは何度もくり返され、その都度、けしからん危険な国北朝鮮、っ

てようなキャンペーンを政府やマスコミまでそろってやってしまってるのを、国民が

ぼーっと、その通りだね〜、北朝鮮はコワイ、って呑気な感想で受け取ってるんだと、

この日本は危ないことになるのだ。

だから、米国との連係を強めて国防をしっかり強化する、って言うのが政府のキャン

ペーンの趣旨なんだけど、実際に危険なのは、まさにその政府の国防政策キャンペー

ンそのものの方なのだ。

一見まともな正論のように聞こえる国防論には、頭の働きが鈍ってきてる代わりに頑

固な時代錯誤的国防論をぺらぺらくり返す老人たちに、自分の利益以外ものを考えた

ことのない若者たちが知らずに賛同してってしまう傾向があるのだから、自分の頭で

少しものを考えることのできる老若男女なら多分大丈夫のはずだけど、一応全国民各

自が、それは自分のことかもしれない、とよく気をつけた方がいいのだ。

人工衛星は建前で軍事ミサイルが主目的だから、って言うなら、そんなことは米国も

ロシアも中国もさんざんその目的でやって来て、ゴマンのミサイルを保持してるわけ

でそれを棚に上げて、いけないことだ、なんて言ってる方がおかしいだろう。

北朝鮮が軍備拡張するのは、なにも特別なことというより、極まともなことなのだ。

だって、それは世界各国どこでもやってきたことだし、自国の外に敵視してくる国が

あり、それが自国よりも格段に優勢な軍事力を持ち、その力で自国の政治に介入して

来ては、その他国の判断でそれが気に入らないとなれば場合によっては一方的に攻撃

もありうる、ってような脅しをされてて、軍備を考えない方がおかしいんであって、

これは、日本がその立場だと考えるのと北朝鮮が考えるのと、どっちが切実だろうか。

北朝鮮は米国や日本に攻撃をかけたい、って考えてるわけでなくて、攻撃される危険

が現実的な脅威になってるからそれをしてるのだ。

だから、一方的な論理で北朝鮮などを危険視してる日本こそが危険の根源ということ

にもなるのだし、しかも、安倍政権は場合によったら戦闘になってもしょうがない、

って考えてるふしがあり、自分の加害者的要素に全く思い至ってないようなのだ。

そんな固い頭で暴走する首相のしきる政府のキャンペーンに乗せられないように、い

つも気をつけてた方がわれわれ国民自身の身のためなのだ。




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