2/22のしゅちょう
            文は田島薫

がんの治し方、について


私は10代のころから体の不調を意識しだして、一種の病気恐怖症のようなところ

があり、健康維持に関する本を乱読して20才ごろは玄米菜食を実践したりしてい

た時、伯母の夫と伯母と続けてがん死するまでのいきさつも観察し、より健康維

持についての試みがテーマになった。で、当時から周囲の者に色んなことを言っ

てたら、ほとんど変人に見られることが多くなり、だんだん発言を控えるように

もなっていった。まあ、だれでも健康でありたい、って考えてるわけだし、それ

ぞれがいろんな勉強したりそれぞれの情報を信じてやってるわけだろうから、医

者でも学者でもないへなちょこのような他人のアドバイスなんかはたしかに、大

きなお世話だ、って感じるにちがいない。

がんは長年日本人の死因のベスト3(?)ぐらいにあって、私の母親や伯母もそ

れで亡くなってるわけだから私自身もDNAにその発症の可能性が大きいのだけ

ど、多くの情報を総括したおかげで昔にくらべて不安感は薄くなっている。

で、数十年前最初に伯母が胃がんだと知った時、その頃はがんはほとんど不治の

病の認識がだれにもあって、告知イコール死の宣告、って感じだったもんで、私

はそういった治す自信がない医療の他に、例えばサルノコシカケで末期がんが治

った、ってようなうわさ話の他、その頃聞いたラジオでつかこうへいの身内が末

期がんになり医者にもうだめだからって言われ、親戚中がいろんな準備しながら

当人が死ぬのを待ってたところ、当人がダメモトでそのサルノコシカケだったか

なんだったかを続けてたら、どんどん元気になってちゃった、って話はとても印

象に残ってるんで、いろいろ巷に出回ってる民間療法に活路があるんじゃないか、

って本屋で探ったところ、「がんは治る」ってそのまんまのタイトルのチープな

イラストの表紙の本をみつけた。

その本によるとがんは人間すべてに、いつもできたり消えたりしてるのだ、って、

当時そんなことを言ってる医者を私は聞いたことがなかったんだけど、へー、と、

それで、がんは食生活のみだれやストレスで成長するもんなんだから、もしそれ

が大きくなったとしても、生活習慣を改善すればできて成長した逆をやることに

なるわけだから治るのだ、と、私はなぜか、すっとこれを納得した。

その本の著者は当時でも老人だったけど大阪で長年断食道場をやってがん患者を

治してる、って言うんで現地へ行き泊りがけでその実践法を学んだ。

固形物を食べることもできない末期がんの例えば、舌がんで舌がかちかちに硬化

した患者も酵素入りミルクさえ飲めれば治せることを実証した、と本には書かれ

ていた。その原理は免疫力を高めるために野菜が作る酵素を直に摂取することと、

体力をつけるミネラルやタンパク質など赤ん坊にとっての総合栄養を粉ミルクで

摂取する、ってものだ。それに全身マッサージを加えれば、どんなに患者の症状

が絶望的でも完全栄養と運動を確保できる、というわけだ。

現在では連日のように、がんはだれの体にもできたり消えたりしていて、消す働

きをするのがナチュラルキラ−細胞(NK細胞)だ、これの力を大きくするのが、

免疫力アップってことだ、ってふつうに聞かされるようになった。

がん治療の問題点は抗がん剤などで患者の体力を低下させることだから、それや

手術やらは最小限必要でも、各自の日常の療養がもっと大事、ってことなのだ。

で、先日のテレビの実験では、ぬるい風呂で体内温度を一度上げることや、横に

なって20分間腹式呼吸するだけでひとりの免疫力は数倍上がったようだから、こ

んなようなことはどんどんやって損はないはずなのだ。




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