南京豆
マラソンや駅伝という長丁場のスポーツは、なにかつまみながら見ていないと間がもた
ない。毎年正月の箱根駅伝は国産殻付ピーナッツの大袋を買ってテレビをみている。
サッカーは、長さでぎりぎりのところにあるが試合内容によっては口さみしくなる。
「AFC U−23選手権カタール2016(リオデジャネイロオリンピックアジア最終
予選)」という長ったらしい名前のサッカー選手権試合がおこなわれた。
第一試合は強敵北朝鮮である。手倉森ジャパンのこれまでの成績はかんばしくなく、た
だでさえ手ごわい北朝鮮相手ではたぶん負けるだろうと見ていたところ、雲行きが怪し
くなるどころか良くなってきた。くいいるように見ているとなにかつまみたくなってき
た、といって適当な食べ物もなく、しかたがないのでせんべいをもちだしてボリボリや
っていたら1−0で勝ってしまった。
次回タイ戦は、せんべいをかじっていたのではお腹がいっぱいになってしまうので試合
直前に近所のコンビニで中国産ピーナッツを買ってきた。そうしたら4−0で勝って手
倉森ジャパンの前評判もくつがえった。3戦のサウジアラビアは手ごわい相手なのでし
っかりピーナッツを買っておくことにした。
中国産は不味いので国産にしようと思ったらなんと値段が4倍もするので中国産にした。
するとご利益もあらたかに2−1で勝利。準準決勝のイラン戦は3−0で勝ち、準決勝
のイラク戦も2−1と全戦無敗で勝ったところでピーナッツはなくなった。
決勝は仇敵韓国。負けるわけにはいかない。となりのサポーターが「決勝戦は国産にし
たら」というが縁起物はやたらに変えるとろくなことはない。まえよりも少し高い中国
産を買ったらなんと劇的な逆転3−2でドーハの奇跡をおこした。
中国産ピーナッツさまさまである。いや、中国産だから南京豆か…。 |