3/30のしゅちょう
            文は田島薫

(戦争をなくす方法について 10)


安倍首相が国会答弁の中で自衛隊のことをごく自然な口調で「わが軍」って言い、その後

の野党からの非難に、「国際的に見て軍であることは普通のことだ」ってような趣旨のこ

とを言って平然としていた。

彼にはわが国の先輩主脳たちが、非戦を宣言し軍隊を持たない、って立場を貫くことの未

来へ向けた行動指針の重要さと使命感やその矛盾解消についての苦闘や戦略についての問

題意識は皆無だったようなのだ。

彼の内心は多分「だってどう見たって自衛隊は武器持ってるんだから軍隊だろうが、軍隊

のことを軍、って言ってなにが悪いんだ」ってとこなんだろう。

彼の目は、過去の「偉大な指導者」の姿を自分に置き換えたい、って感じてるのかもしれ

ない、戦争があって何百何千万の人々が死んだことより、その指導者を尊敬し、その栄光

に憧れてるのかもしれない。

そんなこと言えば、そんなばかな、自分は平和主義で、それもよりそれを求めて頭に「積

極的」をつけてるぐらいだ、って言うんだろうけど。

その積極的の中に、対外的な敵視と過剰な国防意識が含まれてるため、自衛についても、

どんどんエスカレートして行って、自分は自衛のためだ、っていくら言ってても、他国か

らみたら一方的な攻撃に見えることが多くなって行くはずなのだ。

だって、現実的に米国やイスラエルなどの中東への10倍返し100倍返しの空爆はどう見て

も自衛のため、って説明に無理があるのに、安倍政権ははっきりと世界や被爆国へ向け、

米国側への後方支援を表明しちゃってるのだから。

安倍首相は、先人が苦闘の末に築きそれを発展させて行くはずだった平和憲法を、自分

の想像力と創造力の欠如によって見損ない、過去に目を向け、国防についての手垢のつ

いた常識を踏襲、自国を守るには軍備強化と軍事同盟、っていった100年1日の方法を

選択して、自分もその過去の英雄のようになろうと考えてるように見える。

過去の常識は未来の非常識、常に今一番苦しんでる層はだれか、それが起きた原因は自

分にもあるかもしれない、って考え、自己批判も米国批判も恐れずに改革に邁進して行

くのが歴史上の英雄というものなのであって、過去の歴史土台の政策を鵜のみにして格

好だけ真似て悦に入ってるようじゃ小物かコマリモノにしかなれないのだ。




戻る