クボユーシロのページ 文はクボユーシロ
2015年2月16日(月) 連載・おもしろい映画が見たい(10)
先週の金曜日のお昼、ポストを見たら兄からの封書があった。普段の連絡は電話かメール
だけだ、一体この封筒の中に何が入っているのか期待と不安が交錯した。
温泉旅館の優待券とかなら良いなぁと思いながら開けたら、朝日新聞の映画紹介の切り抜
きだった。ココア通信で映画の連載をやっている弟のために、面白い映画を教えてくれた
のだ、とても良い兄だ。
土曜日の1時半、銀座和光の裏手にあるシネスイッチ銀座のチケット売り場に立っていた。
2時50分からのおみおくりの作法、シニア1枚」と1100円をつき出す、「今日は混んでい
てもう前の方しか席ないですよ」店員は突き放すように空席をモニターで示した。上映中
ずっと上を見上げているのは辛い、映画鑑賞は中止にした。
さすが大新聞社朝日が大きく紹介するとすごい、おまけに土曜日で混むはずだ。来週の平
日に行こう。
金曜日、月1でやっている絵手紙サークルの講習会があった。先生からの課題は鏡を持っ
て自画像を描き、側に何か一言を書く事。鏡を覗き見た、中に醜く老いた誰かがいた。よ
く見て描いた、先生が「まぁよく似てる」と言ったが嬉しくない。側に「光陰矢の如し、
参った」と入れた。
映画おみおくりの作法の切り抜きを送ってくれた兄に、どんな返信を出そうか考えた。せ
っかく絵手紙サークルで自画像を描く経験をしたので、しばらく会っていない兄夫婦に最
新の自分の顔を絵手紙にして見せることにした。再度絵筆を握り、鏡の中を覗き込んだ。