サニーイズム          文はさぬがゆたか


「世俗的」イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だより。
サニーが、秋の夕暮れの情緒を鑑賞してます。



「 茜 色 」

2013年9月28日



ドドーンッ ドドーンッ!ってどでかい音で起こされた早朝。

ついにきたかこの世の終焉かと思ったら、近所の小学校の運動会

無事決行のお知らせ花火だった。

その音はそりゃ自信たっぷりで「みんな来いや来いやはよ

来いや!」とも聞こえ、白い煙の塊を空高く突き上げていた。

来春に入学する園児たちも親御さんに連れられ、ピーピー キャー

キャーとアヒルように歩きながら学校へ繋がる。

子供が少なくなっても、こういう風景を無事毎年眺められること

がどれだけ安心のバロメーターなのかと、垣根越しに感心する

あたしも、向かいのおじちゃんと同じポジションなんだね。

そんなこんなで、急に背伸びをしないように、ゆっくりと筋を

伸ばしつつ、やっと熱いコーヒーを入れられる季節になってきた

嬉しさよ。仕事するにゃこのぐらいがちょうどいい。

それからもエコーがかった音声で「次は何学年の玉入れ競争ですー」

とか「父兄の方々は入場門の方に・・」とかが響き続き、煩ささの

心地よさを感じる日になった。


空、真っ青。


夕方になって、ワン公を連れ出し渡良瀬の河原に向かったら

ひと月前のあのギシギシと騒ぐ鳥はどこにいったやら、静けさ

とともに虫の声が響き、空、真っ赤になっていく。

煙草ゆらりと一服したいなと思うけど 、もう吸わなくなって何年も

経って 、その間何が楽しみで過ごしているんだろう。

そういうワン公も何も吸わずただ食べて歩いて寝るだけか。




デオピクチャー画 わずかに見える稜線は浅間山。


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