きょうのねこさん 文は田島薫
きいろぶちが来る
先週、茨城の家の廊下越しに庭見てると、白地に黄色のぶち柄のねこさんが手作り池の
コンクリ橋を手前から向こうへゆっくり歩いて行ったのが見えたんだけど、今朝、また
そのねこさんが、同じように橋を歩いて行くのが見えたんで、家人とおふくろに教えて
みんなで見てると、橋のまん中で立ち止まってから、池に水平にはり出させた鉄筋の冊
の上に前足をのっけて池をのぞきこんでいる。金魚の動きを見てるようで体を左右に動
かしたりしてるから、みんなで廊下の近くまで行って見てると、やっとわれわれに気が
ついたようで、こっち見て固まっている。そのうち、ゆっくりと体の向きを変え、歩い
て行った。先日のように、右へ曲がって外へ出て行くんだろうと思ってると、きょうは
なぜか左に曲がり、目の前にあった廃屋2階ベランダへの外階段をのぼって行った。
や〜、散歩コースいいとこ見っけたよな〜、こ〜、水と木立の間を歩く時の気持ちよさ、
池には魚さんが泳ぎ、あり?今、自分で魚さんって言った?、おっと、魚さんがいんだ、
っけ?そ〜かそ〜か、おし、どこだどこだ、お、いたいた、おーいあがってこいよー魚
さん、なんにもしないからさー、なんちゃって、手をこ〜ふりまわしてみっか、とどか
ないね〜、あり?なんだかだれかに見られてる気がすんだけど、こっちか、あ、やばい、
ん〜、ど〜すっか、ん〜と、ぼくはちょっと魚さんとお話してただけなんですよー、い
やいや、楽しかったです、じゃ、ぼくはこれで帰りますので、ゆっくりと、いちに、い
ちに、いちに、いちに、こ〜やってなにげなく外へ、つってると、あり?こんな階段あ
ったけか?しょうがない、よいしょよいしょ、ってのぼっちゃって、行き止まり。どー
すんだぼくはこれから、よわったね〜あっちでみんが見てるよ〜。