11/26のねこさん 文は田島薫
すき間道のねこさん
先週後半は法事で茨城行っててねこさんも見なかったもんで、その4日ほど前の日曜
図書館に行った帰りに遇ったねこさんの話。
狭い裏道の住宅街を行くと右の視界の隅にねこさんが見えてすぐに住宅と住宅の間に
入って行った。一瞬のことだったんで、目の錯覚かな、って思ったんだけど何メート
ルか自転車で行き過ぎてから戻ってその場所をのぞいたら、住宅ととなりの住宅をし
きる高いへいの間の幅30センチにも満たないようなすき間の通路(?)のちょっと先
にちゃとらさんの後ろ姿があってちょうど立ち止ってふり返ったとこだった。
じっとながめてるとねこさんもこっちをじっと見つめてて、しばらくやってても身動
きしないんで、ちょうど私の立ってる道をだれかが来る足音が聞こえた時、そっちに
気いとられたふりして視線そらしたら、ねこさんの方も首を戻し歩き出した。
ぼくはさささってすばやくいろんなとこへ歩いて行くのが得意なんだよな、へんなや
つに見つかっていろいろからまれたりすっとめんどーだし、だれにも見つからないよ
ーにこー、ほら向こうからだれかが来んのが行っちゃった時に、ほら、今か、おっと、
ちょっと早かったかな見っかっちゃったかな、だいじゃぶだいじゃぶ、この細い道入
っちゃえば、もー見えないはずだし、しかし、この道後と前からだれかにはさみうち
されっとヤバイんで、早く通っちゃった方がいんだよな、ちょっと後ろ確認して、お
っとっと、ヤバイ、さっきの人がこっちを見てやがる。これでこのまま向こうから他
のだれかが顔出すと逃げ場がなくなるし、こりゃ、ちょっと今ここを動けないね〜、
ん〜、こまった、あれ?な〜んだ、ただのねこずきだったか〜。いかった〜。