●連載
がたやま娘のひとりごと      文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞いてみよう!

たえちゃん、思わぬ事実にびっくり仰天したようです。



・・・もういやだ・・・

可愛い赤ちゃんを目の前にすると、身内の年寄り、

とりわけジジ&ババは頭が狂うらしいが。

うちの母親も、案の定、頭が狂った。

出産祝いをネコババしたのだ。


理由は二つ。

「この家の交際事を一切、私がやってるからもらえたんだ!!」

「私もバアさんに全部取り上げられたんだから!お父さんとバアさんが勝手にやってた!」

と言い、挙句の果てには「この家のシキタリだ!!」とまで言い放った。

私は呆れて言葉が出なかった。

情けないやら、びっくりするやら・・・

それと同時に、亡くなったここの家のバアさんと、甲斐性の無かったクソオヤジを恨んだ。

そして、仏壇に向かって、「あんたたち、責任を取ってくださいよ!!」と言った。

もちろん、返事は無かったが。

ネコババ母の言っていることは理解できる。

数十年前の(ここはあえてハッキリと年数を言わないが)田舎の習わしであり、

加えて長男の嫁と、ウダツの上がらない、世間知らずの末っ子長男の立場では、

為す術がなかっただろう。

しかしもう、世の中は変わっている。

私に向かって、自分の過去のやり場の無い不満をぶつけるのは、筋違いというものだ。

それに私はもう、「ここの家」の人ではない。実母と同居しているとはいえ、

全くよその家に嫁いだ立場の人間だし、「ここの家のシキタリ」を継ぐ人など、もう誰もい

ないのだ。

こういう極めて常識的なこと、社会的なことを、私がいくら言っても全く聞く耳を持たない。

突っ走ってしまったネコババ母を、誰が止められるというのだろう?

私は、新しく生まれた赤ちゃんのお世話で、とても忙しい。

お支度金やご祝儀は、ネコババ母からは一銭も出なかった。

仕事も辞めてしまったし(当時の上司からしつこく辞職勧告された。このことはまた後日書き

ます)、

これから先の生活も、とても不安である。

「私は親だ」と親の立場に胡坐をかいて、大きな顔をするのなら、

子供や孫に迷惑をかけないでほしいと思うのが、正直なところだ。


追伸:

(後日談)私たち家族から取り上げた出産祝い金は、孫の生命保険加入に充てるつもりだった

そうだ。

そしてどういうわけかたった今、ネコババしたお金を返してもらった。

もしまた何か進展があれば、綴っていこうと思います。


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