10/15のねこさん 文は田島薫
幻のねこさんに遭遇
先週の始めごろ、朝燃えるゴミを持って出たら、道の向こうに、右から左に道を渡る
白っぽいねこさんが見えた。ねこさん、こっちを向いて一瞬足を止めたけど、すぐに
向かいの家の狭いすき間に作った石畳を抜け突き当たりの小さなサクとびらをすり抜
けてから左となりの家の低いブロック塀を乗り越えたんでそば行って、となりの塀の
中のぞき込んだんだけど、もう姿はなかった。
となりのバレエスタジオの梅ちゃんとうまちゃんは先生といっしょに引越ししちゃう
し、わが家が茨城の両親のとこへ長期滞在してた間に、あたりのねこさんたちもどっ
か行っちゃったらしく、とんとねこさん見かけないな、って思ってたところだったん
で、家人に伝えると、その白っぽいねこさんなら、このあいだも玄関開けたら目の前
にいたよ、だそうだった。
や〜、朝の散歩は気持ちい〜ね〜、だいたい、このあたり静かでやなやつもいないか
ら気に入ったんだよな〜、ま、たまに、およよよ、などと変な声出す人に遭うのがや
なんだけど、きょうはそんなこともないよ〜だ、つってるそばから、向こうでこっち
見て、およよよ、って言ってるのがいるね〜、さっさとこの場を離れた方がいいやね、
あの〜、およよ族には気をつけよ〜、み〜んな〜♪、つって歌いながら行くぼくなん
だけど、み〜んな〜♪、ってだれに言ってんだろね、ぼくは仲間もたないいっぴきお
おかみだったじゃね〜の、おっとまてよ、ねこなのにおおかみ、つっていいのかな?
じゃ、ここはひとつ、ねこの皮かぶったおおかみ、つーことで、どだ!かっくいー、
なんてこといってる場合じゃない、はやくかくれなくっちゃ。