1/31のねこさん 文は田島薫
つーとんが退散
気持ちよく晴れた土曜日の昼過ぎ、いつものように自転車で食料の買い出しに行くと、ねこ
よこちょう入口手前から、きれいな茶とらが道路を横切って来た。そばに止めてあった車の
バンパーの前で立ち止まり、こっちを見て伸びをした。よこちょう入口に入ると道路の向こ
うへぶちが歩いて行くのが見えた。入口角の家の庭に面したテラスの上にはワープしてきた
(?)つーとんがいて、ガラス戸の向こうへ、なんかくれ、って言ってる模様。
買い物して帰って来ると、さっきテラスにいたつーとんが、門扉近くまで移動していてこっ
ち向きに寝そべって、なんだか中途半端な表情してる。
ぼくが、なんかくれ、って言うといつもだれかがエサの皿なんかを出してくれたもんなんだ
けど、なんだか、知らないうちに景色やなんかが変わったと思ったら、見知らぬねこたちが
入ったり出たりしてるし、人間はいつもエサ皿出してくれるわけじゃないみたいなんだよな。
でも、そんなはずはないと思って、みんな帰っちゃう中、ひとりで、なんかくれ、ってがん
ばってると、しまいにはなんか食べもんくれるから、なんだかめんどーになったけど、ま、
いっか、って思ってるわけなんだ。しかし、ここの奥さん、気まぐれだね〜、きょうは、は
なからぼくを無視して、なんだかマットのほこりなんか叩いたりしてるぞ、お〜い、奥さん、
なんかくれ〜、ありゃ、足ばらいされちゃった、夫婦げんかでもしたんだね、じゃ、ちょっ
とおちつくまで、退散退散、つっても、敷地からでないんだもんね〜。