1/24のねこさん 文は田島薫
まっくろが来た
まっくろ、って聞くとハンバーガーかパソコンを思い出す人もいると思うけど(いないか)
年明けから何度かわが家の庭に入って来るのを見かけるようになったまっくろけのねこさ
んのこと。先日も自転車で出かけて帰って来たところ、わが家の庭=雑草園に彼の後ろ姿
があった。いつもこっちに気づかなかった時は、のんびりと歩いてるのに、そん時は、お、
って思った瞬間には振り向きざま猛ダッシュで奥へ逃げて行った。
や〜、ここの雑草の荒れ地、散歩にぴったり、われながらいいとこ見つけたんだよな〜、
この木でできた廃屋だか物置きだかあるけど、こんなとこに人が住んでる、つーことはあ
りえないわけで、だから、だれにもじゃまされずに安心して散歩が楽しめる、つーわけな
んだね〜。つってるそばから後ろに人の気配。お、人だ、なんで?なんで?とりあえず、
逃げてるぼく。おっかしーな〜、こんなとこに人が住んでるの?ふつう、人が住む家、つ
ーもんは、入っちゃいけませんよ、ここはおれんちなんだかんな、つって、きちんとブロ
ックかなんかで囲ってあるはずなのに、そんなのなんにもないし、草はえちゃってるし、
第一、家、っつーもんは、もっとじょーぶなタイルだとかコンクリだとか、なんだかしら
ない固い白くてきれいなもんでできてるもんだろに、ここのはただの木だぜ、オイオイ。