8/8のねこさん 文は田島薫
ふたたびダンディーとらさん
先週はゲリラ大雨なんかもあり、ねこさん見なかったもんで、先々週ぐらいの自転車での
食料買い出し途中の話を。
かなりな暑さのその日、自転車止めてのぞき込んだねこよこちょう入口角の家の庭にはだ
れもいなくて、そばの道路をくろとらが向こうへ歩いて行くところが見えた。くろとらさ
んふり返ってこっちをしばらく見てからまたゆっくり歩き出し、ずーっと奥までゆっくり
ゆっくり歩いて行った。これ、前にも見たシーンだった。1年前の今ごろ。
1年前とちがったのは、くろとらさん一番奥まで行くと、へいへ飛び上がって消える前に
もう一度こっちへふり返ってから、ちょっと足の毛づくろいをしてみせたとこだった。
や〜、ひとりが好きなぼくなんだけど、ちょっとだれかの顔を見たい、ってとこもあんだ
よな〜、で、だれかいっかな?いたら、ぼくは君たちとはつきあわないんだよ、って言っ
てから、かっくい〜、かんじで去って行こうと思ってたんだけど、だれもいないね〜。
じゃ、だれもぼくのかっくい〜、とこ見れないのか、あれ? まてよ、前にぼくをかっく
い〜、って感心してた人が立ってるぞ、よしっ、じゃ、またぼくのかっくい〜後ろ姿見せ
てやっかな、サービスして、こ〜、ゆっくりゆっくりと、すぐそばの庭に入ってしっこし
たい気分もがまんして、ゆっくり歩くぼく、かっくい〜。奥まで来てと、で、まだ見てる
かなあの人、んん、見てる見てる、じゃ、もうちょっとサービスして、ぼくのかっくい〜
足を伸ばして見せてやっか、のび〜、ほら、どだ。