11/21のねこさん 文は田島薫
ねこさんがうじゃうじゃ2
親父の葬儀とその後のおふくろのサポートなどでまだ茨城にいて、帰るのは2〜3日後な
んだけど、そんな情況の中でねこさんになかなか遇えないもんで、日曜の午後、また、お
ふくろに教わった「ねこさんがうじゃうじゃいる家」へママチャリで行ってみた。
高い生け垣の入り口にママチャリを止めて、中のぞくと奥の家の玄関の前にグレーのとら
と小さいクロが座ってこっちを見てる。前に行った時にそこの主人と知り合ってたんで、
今度は安心してどんどん中へ入って行った。とらの方はやっぱり逃げるそぶりを見せたん
だけど、私が笑ってるもんで、また座りなおした。クロの方は気にとめないようで、そば
へ行っても身動きしない。その場へしゃがんで見せると、すぐにクロが寄って来て、背中
を移動させながら、さわらせた。しばらくまた、元の位置で座るふたりをながめてから、
じゃ、ってママチャリまで歩いて、ふり返り、こっちを見てるふたりに手を振った。
あり?だれだ、ぼくんちをのぞき込んでるあやしいやつは。お、なんだ、なんだ、入って
来たね〜、やばいのか?ど〜なんだ?でも、ぼか〜逃げないね〜、だって、ここはぼくん
ちなんだからな、ばきゃろ、あり?前に来たことある人だね〜、笑ってるね〜、この前、
うちのおじさんと話ししてた人だから、だいじょうぶだな、よかったよかった。きっと、
ここのエサくれてるおじさんの知り合いなんだね、じゃ、しつれーがないようにしないと
いけないね〜、ほら、背中なでていいからね、遠慮はなしだよ〜、ほらほらほら、も〜、
いいの?じゃ、元んとこへもどらしてもらうからね。え、さてと、後はなんの用でっか?
やっぱり、も〜帰るの?ゆっくりしてけばいいのに、なんちゃって、うそだけど。手振っ
てるね、ぼくらもここで手振りたいとこだけど、ねこが手振っちゃうと、めずらし〜、っ
て言って戻って来ちゃうといけないから、やめとこー、ま、あの人、けっこー気分よさそ
うに帰るようだから、おじさんへのギリもはたせたね。