●連載
がたやま娘のひとりごと 文はこんのたえこ
地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!
たえちゃん気乗りしなかった映画に思わず感動しちゃったんだす。
「育子からの手紙」
素晴らしい映画を観た。
いつも観ているハリウッド映画とはまったく違う。私が娯楽としてあまり観ない、日本映画。
「育子からの手紙」は、山形での上映会があったのだが、華々しい宣伝は無かった。
上映会場も人はまばらだった。若いのは私たち夫婦と共に、もう1組の夫婦だけ。あとは年
配の紳士淑女の方々だった。上映するのも、映画館ではなく貸しホールだったため、スタッ
フがスイッチオン!すると映画が始まる、っていう手作り感満載だった。
わたしゃ、出来れば観たくないジャンルの映画だったのだが、スタッフもキャストも素晴ら
しかったので、始めから引き込まれてしまった。
女優の原日出子さんは、まん丸の笑顔に誰もが親しみを持つのではないだろうか。だから、
温かい人の心を表現するのにピッタリなのではないだろうか。主人公の「育子」を演じる宮
_香蓮ちゃんは、伸び伸びと素直だ。好感度が高い。
特別出演の渡瀬恒彦さんの、お医者さん役は1シーンだったけど、厚みがあって印象的なも
のだった。
映画の途中から、すすり泣きの声が聞こえている。人の心の変化、置かれた状況など、共感
しないわけにはいかない。同じ立場になれば、誰もがぶつかるであろうことだ。自分や自分
の家族に置き換えれば、当たり前のことなのだ。
そして、私にとっては仙台というロケーションに心を打たれた。近いからね。何だか知って
いる場所だし。この映画は、せんだい・宮城フィルムコミッションが協力しているらしい。
(いい仕事してるなあ〜)
観終わって感じたのは、原作者の副島喜美子さんと言う方が主婦なので、普通の女性と同じ
目線の日常を描いているな、と。普通の生活と育子ちゃんとの交流を通じて、自分の生き方
を問い直しているように感じました。ともすれば、こういう映画はお涙頂戴になってしまう
けど、死ぬことではなく「人が生きていくこと」がテーマになっている。
こういう映画が、もっと支持されてもいいと思うのは、私だけじゃないだろう。
「育子からの手紙」オフィシャルサイト
http://film-crescent.com/ikuko/?page_id=2
上映日程
http://film-crescent.com/ikuko/?page_id=288