10/18のねこさん 文は田島薫
気づかいねこさん
秋晴れの午後、自転車で食料の買い出しに行った帰り、ねこよこちょう出口(行きは入口)
の角の家をながめた。たいていいつも、ここのきれいな庭に面した建物沿いにねこさんた
ちがいるんだけど、きょうはだれもいないようだな〜、って思いながらよく見てみると、
テラスのてすり付近の棚状になった上に泥のような色をしたねこさんが建物の外壁に頭を
くっつけ庭に尻を向けた妙なかっこうでうつぶせに寝そべっていた。
ぼくはこの庭に入って休むの初めてなんだけど、いいのかな〜、大丈夫かな〜、ここの家
はけっこういつもねこさんグループが寝転んでて、ぼくのような部外者で人見知り(?)
のようなねこは中に入りにくかったんだけど、きょうはだれもいないね〜、じゃ、ちょっ
としつれーして、よいしょ、ってこのてすりになんかのぼっちゃって、ゆったり、ん〜、
いい感じだね〜、ん〜、でも、ぼくのような部外者で人見知り(?)がこんな大きなかお
してリラックスしちゃっていいのかな〜、まずいよな〜、後から、ここの先輩グループが
来たら、こらっ、っておこられちゃうだろーな〜、よし、じゃ、ちょっと、おじゃまして
ます、って遠慮した感じに、こ〜足を少しひっこめて、寝そべる、ん〜、でも、こ〜やっ
て、庭をのんびりながめたりしてるのは、部外者で人見知り(?)のわりにずーずーしー
やつだ、って思われちゃうかもな〜、じゃ、庭見るのやめて、壁の方むいちゃおう、よい
しょ、って、これでもこ〜、ふりむいちゃうと、庭が見れちゃうから、このやろー、すき
をねらってふりむこう、ってこんたんだろー、なんておこられちゃうといけないから、こ
ー、ぐぐ、って顔を壁に押し付けて、庭は見ません、ってことで、どーだ。