5/24のねこさん 文は田島薫
ねこさん天国
夏のような天気の先週の土曜の昼過ぎ、自転車で食料の買い出しに行った帰り、きれいな
庭ひとりじめねこさんがいた家の前にその当人のきとらがいてさかんににゃ〜にゃ〜言っ
てて、しろねこがそっちから歩いて来るのが見えた。
しろねこはすぐとなりの家の門の中入ってからじっと座ってる。当人きとらの方はまだな
んか言い続けてから、あきらめたように、正面の庭の方へまわり中へ入って行く。そばま
で行ってみると、いつも閉ってるフェンスが大きく開いてて、家の裏手の物置きのような
低い屋根の上に別のみけのねこさんが死んだように眠ってる。当人きとらは、きょうは、
くつろぐことをしないで庭のまん中をどんどん歩いて行く、見るとテラスの上には別のね
こさんが二人ぐらい寝ている。当人きとらはそこを通り過ぎて家の向こうの角を曲がった
んで、私はまた元の裏手の場所まで戻ると、向こうのへいに飛び乗って、となりの家の方
へ消えるきとらが見えた。
お〜い、そこで寝てちゃだめだよ〜、ここの主人車で出かけただけだからまた帰って来ち
ゃうんだよ〜、あれ、聞こえないのかな、ぐっすり眠っちゃって、死んだように、まてよ、
ほんとに死んでたりして、やばい、考えない考えない。や〜まいった。ちょっと仲間にき
れいな庭の話したらうわさが広まっちゃって、きょうは入り口が大きく開いてるせいで、
みんなが気楽に入って来ちゃってくつろいじゃってるんだからな〜。知らないぞ〜、ここ
の主人が帰って来たらみんな追い出されちゃうんだからな。ま、いっか、そうなれば、ま
たぼくのひとりじめの庭になるんだし。ま、みんな短い天国の時間を楽しんでよ〜。でも、
あの裏にいる方のほんとの天国じゃないんだろうな、考えない考えない。