3/1のねこさん 文は田島薫
また今度は梅ちゃんがぶあいそ
先週、私がビールを買いに行こうと玄関出たらうまちゃんがいて、なに気なそさそう
に退散した後追ったら、ごろん、とおあいそしてくれた話を書いたんだけど、今回は
その続きがあったもんで、それを。
ビール買って家の前の坂を下りて来たところわが家の2階の窓から家人が手をふって
から、家の前のアパートの玄関の方を指差してなんか言ってる。どうも梅ちゃんがい
る、って言ってるようなんで、そっち見ると玄関わきの花壇のふちのタイルの上に梅
ちゃんが座っっているのが植え込みのかげから見える。お、梅ちゃん久しぶり、など
と言いながら、そば行くんだけど、なぜかこっち見ないでそっぽ向いたまま。おいお
い、って頭なでてから顎なでたら、そっぽ向いたまま少し立ち上がったりして、全然
こっち向かない、あいかわらずクールなやっちゃ、って家へ入ったら、家人の言うに
は、梅ちゃんのことずっと見てたら、梅ちゃん、坂の上の方をずっと見てて私が下り
て来るまで私を目で追ってた、って。どうも私がうまちゃんをかまってた一部始終を
梅ちゃん、そこからずっと見てたのを植木にのかげだったせいもあって私は全然気が
つかなかったのだった。
あいつまたしっこしにとなりの家行ったな、よくあーいった荒れた場所でするよな、
ぼくだったら、こういったきちんと手入れされた植木の元なんかですっけどな。あれ
となりの家の人出てきたぞ、あいつ絶対慌ててるね、こりゃおもしろい、お、あの人
あいつをなでたいのかな、やめといた方がいいのに、ぼくがいつもなでさしてやって
るのに、なんだ、あの人はぼくの毛並みを特別気に入ってなでたがってるってわけじ
ゃないのか、ねこならだれでもいいってわけなんだな。
ぼくに気づかず行っちゃったよ、なんだかおもしろくないね〜、いつ戻って来るかず
っと見てたけどずいぶん時間かかったね〜、やっとぼくに気づいたようだ、なでてる
なでてる、う〜ん気持ちわり〜、やっぱりここはシカトしといた方がいいな。