●連載
がたやま娘のひとりごと 文はこんのたえこ
地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!
たえちゃん、思いもかけず、全身運動しちゃったようだす。
試着室にて。
断食&日々の節制アリで、少しずつ結婚前の体重に戻りつつあるワタシ。「洋服の中で身体が
泳ぐ」という感覚を久々に取り戻したので、まーこりゃ楽しいったら仕方が無い。
それで、季節が変わったこともあるし、洋服を求めに行った。
ワタシの場合、もう華の独身貴族ではないので、洋服はジャ○コとかユニ○ロとか、し○むら
とかで漁る。結婚してお小遣いを切り詰めるために、初めて足を踏み入れたし○むらの衝撃が
忘れられない。。。恥ずかしいというか情けないというか、落ち着かない気分だったなぁ。。。
今でもあんまり慣れていないけど、安いというのが分かっているので行くのだ。
でもそういうところは、デザインもそうだが、わたしにとっては特にカッティングが合わない。
今回は「リサイクルショップ」にて服を求めることにした。最近お気に入りなのである。なぜ
ならけっこうな掘り出し物が見つかるからである。本当に「ダメだこりゃ!」と思うものの中
に混じって、「何でこんなにイイ物があるんだ!?あぁ!?」っていうコーフンの格差が激し
いところなのである。
数件のリサイクルショップを、あまり効率的ではない訪問ルートで見て回った。
そして1軒のお店で、「コレぞ!」というワンピースを見つけて、いそいそと試着室へ。隣に
はダッサイカップルがいて、2人で相談しながら彼女の服を選んでいた。「こんなリサイクル
ショップで買ってんじゃねーよ!ダッセーなー!」って思っていた。
わたしが試着に選んだロングワンピースは、シフォンとボンディングの生地で、デザインもと
っても素敵。ササッと着て鏡の前で自己満足しながら、着ていく時のシチュエーションを妄想
していたりした。
「うん、コレ買ってもイイかも。」と思いながら脱ごうとした・・・ら、「脱げなーい!」
いささかワタシの体にはピッタリすぎたのが災いしたのである。もっと服と体にすき間が必要
だったのだ。このまま無理に脱ごうとしたら、破れてしまう!ビリビリビリという音が隣のダ
ッサイカップルに聞こえてしまう!それとも「すみません、脱げなくなったので手伝ってくだ
さい」と声を掛けようか、または、着たままレジに行ってお支払いをしてしまおうか、狭い試
着室の中でわたしは、考え得る限りの対処方法を想定した。しかしどれをどう考えても、想像
を絶するほど恥ずかしい。一番ダッサイのはわたしじゃないか!
そしてかなりの時間が経過した。
体を精一杯お魚のようにくねらせ、蛇の脱皮のように何とか脱ぐことが出来たので、ソッコー
で売り場に戻し、汗だくになったわたしは、駆け足でリサイクルショップを後にした。