1/18のねこさん 文は田島薫
ねこよけの小道2
何ヶ月か前、家のよこの隙間に手前から奥までねこよけのペットボトルをずらーっ、
とならべた小道を歩いて行きながら、どうよこれ、って言ってたねこさんの話書いた
んだけど、きのうは図書館の帰りにそこ通ったら別のみけねこさんが、その小道の手
前にいて、小道を行こうかどうしようか考えてるらしいとこに出会った。
すぐ後ろで自分をながめてる人間に気づいたねこさん、ふり返ると、こっちをじっと
見て固まっている。しばらくそうしてから、やっと前を見て、またふり返り、じっと
しばらくの間こっちを見てから、前を向き、思いきったように小道を小走りに歩いて
行き、ペットボトルの小道の終わりまで行ってもそのままずーっと一度もふり返らず、
小さくなるほどの突き当たりまで行ってから、まがって消えた。
や〜、ど〜しよ〜かな、あっちの家の方へ行くのにここを抜けるのが近道なんだけど、
ここの道はなんだかぼくをきらってるようなすごーくいやなふんいきがあって、好き
じゃないんだよな〜、うん、気分よく遠回りの方がやっぱりいいよな、じゃ、そうす
ることにして、あれ、後ろに人がいる、ありゃ、そんなにそばにくっつかれたら、戻
れないじゃないか、ね、ちょっとそこどいてくれないかね〜、え?あ〜まだ見てるよ、
この人、だから、ちょっとそこどいてくれない?どかないね〜、よわったね〜、だっ
て、どいてくんないと、前行くしかないだろ、前向くと、あ〜、やだやだ、この道だ、
で、またふり返ってみても、この人帰る気配ないね〜、そこどいてくんないの?ね?
しょーがない、もう、前行くっきゃない、もうなにも考えないで早めに通っちゃおう。
へんな容器なんか見えない見えない、とととと、全然見えない、とととと。