12/6のねこさん 文は田島薫
ねこまちがお
先週の晴れた日のめずらしく午前中、自転車で食料の買い出しに行く途中のねこよこちょ
う入口角の家、まだねこさんはいないだろうな〜、って思ってるとやっぱり、庭に面した
テラス周辺にはだれもいなかったんだけど、庭の方へ行く入口、道路に面した側の駐車ス
ペースのあたりの中途半端な場所にしろが中途半端な表情で立ち止まっていた。自転車を
止めて、しばらくながめてから立ち去ったんだけど、こっちに気がついても目だけうつろ
に私の視線を追うだけで、その場を動かなかった。
や〜、ちょっと早く来すぎちゃったな〜、ひなたぼっこ。だれもまだ来てないんだもんな
〜。ひとりであの庭入ってくのやなんだよな〜、前に一度、だれもいない時、ひなたぼっ
こしてたら、急にテラスのとこのガラス戸が開いておっさんが出て来たんでびっくりして
逃げたことあったからな〜。みんながいる時に、目立たない場所でのんびりひなたぼっこ
したいんだ。まだかな〜、みんな。お〜い、はいく来てくで〜。あれ、なんだか、いつも
来る間抜けな顔の人間がまた来たね〜、そんで、こっちじっと見てるね〜、やだね〜。
ぼく見てもおもしろくないですよ〜、ただ友だち待ってるだけですよ〜、見ててもなんに
も芸なんかしませんよ〜、っだ。