9/14のねこさん 文は田島薫
くろねたさんぽ
ねこねた困ったぞー、って言ってたのを、以心伝心で同情してくれたのか、先週はつーと
んずらも、くろねたも2回づつぐらい庭に現れてくれた。
どっちも、ただ、うちの「ジャングルの庭」改め「マティスの庭」を横切って行っただけ
なんだけど、それだけでも、や〜よかったよかった、って気分にしてもらえる。
散歩好きのくろねたは、いい天気になった今朝も、その気になったらしく、いつも(?)
と同じように、家の裏から回って来て、廊下のそばにある手作りひょうたん池のセメント
の橋渡って行くのが見えたんで、ちょちょ、って舌であいさつしてやると、そのまま歩い
て渡りきりもう少し歩いてから立ち止まり、おもむろにふり返ってから、なぜか小走りに
何歩か逃げるような素ぶりしてから、急にそれをやめ、またゆっくりとそばのボロ外階段
を上って行った。
や〜、気持ちいい日だね〜、散歩にも力が入るね〜、あれ、まてよ、散歩に力入っちゃ、
疲れちゃうじゃないか、力抜かないとね、こないだは、ちょうどこの橋の上で後から声か
けられたもんで、無理してくつろいだかっこ見せようとして背中のすじ違えそうになった
んだった、やばいやばい、あれ、きょうも後から呼びかけられているような気がするけど、
ソラミミ、ソラミミ、えっと、ドレミファ、ソ、ソラミミ。よし、鬼門の橋は越えたし、
ちょっと、ソラミミを確認しておいて安心しよう、ふり返ると、ぎょっ、ほんとに呼んで
る!とととと、と、逃げるこたなかった。ぼくにはなんらやましいことはなかったんだ。
ぼくは散歩を楽しんでるだけなんだから、ゆっくりと、こんなふうにリラックスしながら
階段を上がって行くわけなんだから、しかし、見られてると思うとどうしても身体に力入
っちゃうね〜。