8/24のねこさん 文は田島薫
しろねたねこさん
おふくろが1ヶ月ばかり入院(もうすっかり元気)してる病院にときどきバス乗って行く
んだけど、そこにあるコンビニとケヤキ並木の散歩道の間にある気持ちのいい芝生の庭の
ベンチの後ろにいつもたいてい白い小柄なねこさんが寝そべっている。
これは、なかなかねこさん見かけない茨城に滞在してる今、とても貴重なねたねこさんな
わけで、そのせいもあってか、毛の白さがとってもきれいに見える。
いつも私と家人の乗ったバス着くのは病院の昼休みの時間で、おふくろの病室へ行く前に
歩道と庭を通ってそのコンビニに自分たちのお茶やおやつをを買いに入ると、病院の制服
を着た関係者たちが大勢昼食を買ってて、庭のベンチでそれを食べてる人もいて、後ろで
しろねこさんの寝そべってるベンチにもその日ひとりいた。
しろねこさんは多分育ちがいいのだろう、すぐそばで食事をしてる人がいるのに、近寄っ
て行って、なんかくれー、って言ったりせず、無関心に寝そべったまま。
われわれが離れたところからねこさん見てると、それに気づいたベンチの若い紳士はふり
かえり、ねこさんにパンのかけらのようなものをさし出しすと、ねこさん、ゆっくりと立
ち上がり、少し吟味してから、ゆっくりと口にくわえた。
ワタシにこれを食べてくれ、っておまえは言うんだね、さっきもだれかがさし出すもんで、
魚フライとシュークリーム食べたばかりなんだけど、なにを出してるの?何にもついてな
いパンのかけら?、お前の手許の方にはなんだか、おかずみたいなもんが残ってるじゃな
いか、いやいや、いいんだよ、いつもならそっちをさし出せ、って言うとこなんだけど、
今はちょうど口ん中をさっぱりさせたかったとこだから。うん、ゆるす。
食べ終わると、お礼も言わずにごくふつうに元の場所へ戻り、優雅に寝そべった。