12/8のしゅちょう 文は田島薫
(自動車業界のリストラについて)
不況の影響で米国の自動車業界ビッグ3が労働者の大量首切りしたりしてるのは、
長引いた大幅赤字経営のせいで、経営陣の数百億円といった年収を無視すれば、仕
方ない部分もあるのかも知れないんだけど、ついこの前まで史上最高と言われるよ
うな利益を上げ続けて来た日本のトヨタのような会社も、溜め込んだ蓄財の余裕が
あり、赤字でもないのに、利益の落ち込みを理由に1万人近くもの首切りを行おう
としているのは問題だ。
トヨタなどは、利潤追求のために、正規社員を減らし、いつでも自由に調整できる
といった理由で非正規労働者を増やしたり、自分のとこの利益率は高率に確保した
まま、下請け企業には30%ものコストダウンを強要して来た。
自由主義経済で利益追求するのは自由だと言っても、企業が社会の中で育ち、多く
の人材を抱えるようになったならば、社会的責任というものを自覚するのが最低限
のルールのはずで、それを行使することによって、企業イメージも上がり、社員の
社会的貢献の意識も育つはずなのだけど、そういった自覚がトヨタにはない模様だ。
そういった自覚なしで利益率を上げることだけが目的になり、平気で不要とみなし
た労働者や下請け企業を切り捨てる企業が増えたら、不況の時こそ、社会混乱の原
因になるだろう。
首切りして、再就職するアテのない失業者が巷にあふれても知ったこっちゃない、
って意識の企業が社会の一員として貢献してる企業だといえるわけがない。
労働組合だって、儲かってる時に桁外れの賃上げ要求はするけど、不況になり、非
正規労働者が首切りに合っても、自分の身さえ助かればいい、って沈黙してるとし
たら虫がいいし、明日は我身も忘れない方がいい。
組合だって、好況の時の自分らの賃上げだけ主張するんでなく、不況の時は、仕事
を分け合う、ワークシェアリングの意義を思い出し、失業の危機にある仲間のため
に、自分らの賃金カットを自ら提案するぐらいの誠意で、もっとリストラ反対を経
営陣に迫るべきなのだ。
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