10/9ののらねこ 文は田島薫
どろみず好き
霧雨が降る日、ねこさんたちの姿は全然見えない。バットマンさえ来ない。
午後になって、露地の見回りにも行ったけど、北側も南側も、小さな庭の家にも、
弁当屋の前にも、どっかの会社の玄関先にも、青空(雨空)駐車場にも、だれも
いない。
このへんののらねこさんのその日を観察してそれを報告する、っていうとっても
安易な企画で始めたコラムなんだけど、その肝心ののらねこさんが姿見せないん
じゃ、オイオイ、書きようがないよー。
や、待てよ、朝出勤途中に、道の向こうで水たまりの水をぴちゃぴちゃ飲んでる
ブチを見たんだった。水がきたなそーだけど、のどの乾きを癒してるじゃましち
ゃいけないと思いそば寄らないで素通りしたんだった。
そういえば、先週も事務所のある3階のベランダまでブラッキーが来て、ドアよ
このココア食堂にエサ皿といっしょにきれいな水が用意されてるのに、わざわざ
奥の水たまりの泥水を飲んでたんで、おーいこっちにきれいな水あるよ、って容
器をかざして水をすくって見せてあげたのに、こっちを一べつしただけで、泥水
を飲み続けた。
何でねこさんたちそっちを飲むんだろうかね、って考えてみたんだけど、あーい
った自然の雨水の残りのようなもんにはミネラル分などや、ねこさんに必要な何
か薬効野生成分のようなもんがあるのかも知れない。