5/14ののらねこ 文は田島薫
あいそねこさんぶあいそねこさん、
朝、さいたま市の自宅出た道の向かいの3軒めの家は床の張り替え工事してて、
作業員やら、そこの定年済ました夫婦なんかがたむろしてるすぐそばの道路に、
わが家のとなりのバレー教室で飼っているねこの愛想のいい方「うめちゃん」が
座り込んで作業を見物してるんで、お、うめちゃん、って言って、夫婦にあいさ
つする前に彼のあごをなでてやった。
人なつっこいうめちゃんは、どーも、けっこう自分ちじゃいたずらして怒られる
もんで近所のやさしい人とこへ行ってかまってもらうのがうれしいようだ。
事務所に着いてから、午後、酒屋行くついでに北側の路地を見回ってみると、小
さな庭の家の庭の段ボール箱の中から肉球つきのねこの足1本だけ出てるので、
お、事件か?、って思ったら細かく揺れてる、よく見ると背中の一部しか見えな
いんだけど、中でグレーが毛づくろいしてるようだった。
ななめ向かいの弁当屋の入口を入ったすぐわきで、人見知りする若いチャトラが
エサもらって食べてるとこだった。
ちょっと立ち止まって見てると、振り向いてこっちに気づいた彼はちょっと慌て
てそこから出て来て逃げようとしそうな素振りを見せたんで、大丈夫大丈夫、っ
て目で言って、ゆっくり場を離れたら、安心したらしく、また食事に戻って行っ
たんだけど、どういうつもりで慌てたんだろうかね、そこの人にエサ出してもら
って食べてるんだから、言わば許可の御墨付きってわけなんだから、堂々と食べ
て、部外者の私みたいのが見てたら、なんか文句あんのか、食べたいのか?って
言えばいいだけの事だと思うんだけど、ははー、私にエサよこせ、って言われる
と思い、そしたら愛想に自信がない彼は、残りあげるよ、とか、どうぞ先輩!、
って言いたくなかったのかも知れない、ま、そー言われても困るんだけどね。