12/24のねこさん 文は田島薫
ねこさん探しとクリスマスケーキ
クリスマスイヴやろうかと思ってて、事情でとりやめになってたんで、じゃ
きょうやっか、ってケーキ買って来よう、っていきおいで同居人に言ったん
だけど、あずき以外の菓子はあんまり得意な方じゃないんで、あの丸いやつ
をふたりでどうこなすのかイメージがわかないまま、ねこさんの取材に行っ
て来ます、ってついでにうんと小さいやつ買って来ようか、って思って3時
半ごろ自転車で駅に向かった。
途中よくねこさん見かけるアパートのあたりにもねこさんの姿がなくて、や
っぱり寒い時期はこのあたりの吹きさらし出てる奇特な方はいらっしゃらな
いようで、やっぱり家ん中のコタツにいるんだろうな〜、みなさん、って思
いながら、駅前の確か洋菓子屋だったところ行ったら、いつのまにか奥にあ
った本屋に吸収されて本売り場に変わってた。
で、駅の向こう側のコージーコーナーに行ったらあったあった道路の前の特
設ガラスケースにクリスマスケーキ、うんと小さいの〜、って見たら、一番
小さいのもぎっしりのいちごと生クリームでかなりのボリューム、値段も菓
子ごときに払いたくない、ってよ〜な、じっと見てると売り子の若い女性ふ
たりが、いっらっしゃいませ、って言うんだけど、買うのにためらってる風
体のみすぼらしいおやじにちょっと戸惑ってる風情。
いったん行き過ぎて、戻って来て、いちごショ−トを買うかな〜、って考え
て本来のショーケースの方に行くと同じように考えたらしい勤労婦人が、お
手軽価格のそれをふたつばかり包んでもらいながら、大きいの食べ切れない
からね〜、って言い訳めいたこと言ってるの聞いてると買いずらくなり、引
き上げ、また元の側にあるデパートに入って見ると、風月堂があり、丸いク
リスマスケーキの形したひとり分の大きさのがあり、いちごショートより高
いんだけど、これだー!探してたのは、って、ふたつ買った。
で、ねこさんの話は?、って言われてもクリスマスケーキにまつわる思いで
落ち着かない、…落ちがつかない。