6/5の主張             文は田島薫



(銀行と金融行政の無策について)

投資会社の村上ファンドがライブドアと裏でつるんだニッポン放送株の売買の際に

インサイダー取引があった、ってことで逮捕状が出た、ってようなニュースが大に

ぎわいだけど、株価の値上がりは民間投資家だったらだれでも最大関心事だろうし、

こんな事件が頻発してもだれも驚かないだろう。


銀行は預金金利を0コンマ何%しか払わないわりに、貸し出す時は数%以上の金利

を要求、それだって、中小零細、個人に貸し出す場合は厳重な審査をし、切実に必

要としている者には貸し出さないのに、サラ金業者には安い金利でどんどん貸し出

し、結局、審査からもれた企業や個人はそういった高金利金融業者から借金をする

しかなくなってしまう現状を見れば、銀行は、ただでさえ資金繰りに苦しんでいる

人間をさらに苦境に追い込むことを主導してることになるわけだ。


また、銀行の預金金利が低いため、それが株などの投資に流れる、ってことは経済

の活性化から言ったらいい面もあるのかも知れないが、一般の個人投資家などは、

短期の利ざやを稼ぐことばかりにに意識が行き、そんな需要の中で、村上ファンド

のような投資会社がはやるわけなのだろう。


冷静に考えれば、投資、ってことは、本来、形の定まらない企業の将来性を読んで、

資金に余裕を持ったものが、運命共同体のように、それに賭けたり育てたりして行

くもののはずなのに、その大本ともいうべき銀行が、資金のない企業の将来性に賭

ける、といった研究努力などなしで、短絡的発想で金利を安定的に払ってもらえる、

ってだけの理由で、結果的に零細企業などの発展の芽を摘むことになるノンバンク

に貸し出す、ってことは、はっきり、悪行、と言わざるおえない。


地道に生産活動を持続しようとする企業をどんどん潰し、数字上の生産性を示すだ

けの虚業にばかり投資して行くことを黙認している銀行や政府の金融行政は、目前

のバブル的業績にしか意識が行ってない馬鹿行政だ。




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