3/28ののらねこ 文は田島薫
閑古鳥食堂きょうは朝から雨降りで、昨日飲み過ぎの私が遅く出勤した時にはシャンさんが
出した皿のエサは少し減っててだれか来たらしかったけど、ご一名様だけ、といっ
た感じだった。
その後は昼過ぎにすずめの団体さんがエサ皿前のベランダの手すりに並んでケチャ
のようなコーラスをしてから帰っただけだ。
それでも先週末は何気なくドア横の開いていた窓から見ると若とらいて、体を向こうにして振り返った状態で尻から片足をなめてる最中にこっちに気づいてこっちに目を
向けた、っていう、複雑なポーズのまま固まっていた。
こないだのように、こっちもじっと見つめ返し、帰らなくていいからな、って気持を込めて話しかけたら、しばらく丸顔に見開いた目でこっちのメッセージを感じとろう
としてから、なんだ、悪い人じゃなさそうだな、笑顔もけっこう感じいいし、って顔
してから、足なめ作業を再開して、もっとくつろいだように、腰も下ろした。
よかったよかったこれでお客さんひとり確保した、って安心して、ひっこんで、2、3分してまた窓からのぞいてみたら、もう帰っていた。
外へ出て、エサ皿を見てみると、全然減ってなかったので、彼はエサを食べに来た
わけじゃないようだった。首輪もしてるし、彼もバットマンと同様、やっぱりにせ
のらねこなのかも知れない。
そういやー、シャンさんに聞くとその前にバットマンが来たけど、やっぱりエサは食べなかった、って話で、彼を見て避けるように帰っちゃったっていうから、ココア
食堂はあまりうまくない、ってねこ評判がたってるのかも知れない。