6/27ののらねこ 文は田島薫
シロとくろ2朝から30度超えた暑〜い事務所ドア前ココア食堂。
それでも皿のエサは少しづつ減ってくので、だれかが知らぬ間に入れ代わり来
て食べてくようだ。もっともバットマンが来た時は鈴つけてるのでわかった。
先週の木曜の帰り、通勤途中の路地のシロとくろにエサと水を持って行くと、いつものタイル製花壇縁の上に「ねこにえさをやらないでください、とても
迷惑しています」とマジック書きの張り紙があり、水の入ってた小さな陶器も
消えていた。
そばで、シロとくろが居心地悪そうにしていたから、なんとなく、自分たちが
歓迎されてないことを、その呪文の紙に感じていたのだろう。
腹すかして、食べなければ餓死してしまう目の前のねこさんと、迷惑を感じる
人間とどっちの言い分を聞こうか考えて、ねこさんの方を選んだ私はそれでも、
少し動揺してたのか、エサを目立たないように並べるつもりが、手元が狂い、
そのあたり一面ばらまいてしまった。おっと、きちんとまとめてみようかと、
思ったら、向こうからダンススタジオの帰りの小学生たちがこっちへ来るとこ
が見えたので、こりゃヤバイ、と犯罪者の私はその場を足早に逃げた。
翌朝、犯罪現場を通ると、ちょうどエサをばらまいた真上にある建物の突起部から今度は、でかい紙がのれん状に垂れ、これまたでかい活字で「ねこに〜」
ってきちんと打たれてあった。
その日帰る時、反省した私はのれんの紙の下にきちんとエサを固めて置いた。はじっこの目立たないところに小さなポリ箱に水を入れてあったので、別にも
共犯者がいるようだった。
※注:のらねこが増えると不幸なねこも増える、ということは私も理解しています。