9/6ののらねこ 文は田島薫
つーとん久しぶりや、全然お客さん来ないぞ、先週だってそうだった。
朝来ると皿に入れておいたエサはいつもきれいになくなってるので、
夜だけ来てるんだ。
これじゃ、きょうののらねこ、なし、ってことでこのコーナー終わりに
なっちゃうので、ビールの買い出しのついでに近所を見回った。
往きと還りと路地を替えて歩いた。2週間ぐらい前、少しやせた子ねこがいた場所もあって、前にも何回か
行ったんだけど、彼らは次々場所を変えるようで、会えなかったんで、
今度はひょっとして、と思い小さなエサ袋持ってったけど、いなかった。
けっきょく、ねこっこひとり見ずにビール持って帰って来た。
シャンさんに聞いても見てない、って言うし、のらねこ文書けない、ってぐちって、しばらくしたら、ドアの方で、材料が来てるよー、の声。
行ってみると、つーとんが上がって来てて、や、どーも、って顔をしてる。おー、元気かー、って言って、いろいろそっちの近況はどうだい、などと
話しかけてたら、その場に寝そべってくつろいでいるんだけど、
少し元気がないように見えたので、またたびの粉を小皿に出そうとしたら、
すぐに、そばへ寄って来て、手許ばかりを見つめてて、出したらすぐに、
ぺろぺろぺろぺろ、かちゃかちゃかちゃかちゃ、皿とつーとんがセットで
こっちへ進んで来る。
ぐんと元気になったようで、さっきよりくつろいで体を伸ばした。しばらく話し込んだ(?)後、ひっこんで、しばらくして、帰ったかな、
と窓から見てみると、まだいた。
また5分ぐらして見てみると、今度は帰っていた。