5/24ののらねこ 文は田島薫
大盤振る舞い朝出勤すると、ドア前のエサ皿には週末帰る時入れた時のままのようなたっぷり
山盛りのエサが残ってておまけに皿の外にもたっぷりこぼれている。
ありゃ、お客さんたち急に新しいリッチなクライアント見つけちゃって、うちの
エサいらなくなっちゃったのかな、と一瞬思い、今まであんなに世話してやったのに、
そんなことで君たちはいいと思ってるのかー、って恩着せがましく叫びながら
走り回ろうかと思ったけど、常識ある大人である私はすぐ冷静になり、朝1のシャン
さんに聞いてみると、案の定、空の皿に彼が盛り付けたものだった。
クボセンセーと同じで、彼もふだんはねこさんが来なけりゃエサは出さないのに、たまに気が向くと、来なくても出して、時々袋から勢いよく出るエサの量の加減の
セーブに失敗するのだった。
出したらすぐにカラスさんが来たそうだから、こぼれてるのはシャンさんとカラスさん
のふたりのしわざ、ってことだと私はちゃんとわかってる(?)のだけど、シャンさん
はカラスさんだけのしわざ、と思ってもらえてると思ってるようだ。
しばらくたって、窓からのぞいてみると、バットマンがエサを食べ終わって帰るとこらしく、口をもぐもぐさせながら階段下り口にいた。
おい、バットマン、って言いながらドアの外へ出たら、ちら、っとこっちを見ただけで
階段を下りて行ってしまった。彼は人慣れしてるけど、特別愛想がいいわけではないのだ。
ずっと見てると、下の隣の建物に続く屋根から、そっちのベランダに飛び乗り、さらに
そこにあったエアコン室外機の上に飛び乗り、そこに開いていたよそんちの窓から中へ
自分んちのように入って行った。