ユーシロセンセイの三孫日記 5
(三孫の初回)
初めて、しかも一人で三孫に入っていくなどという事は普通の人にはできない。
それはアマゾン奥地のジャングルに十六、七の娘が一人で
入って行くようなもの
(常連客は石斧や毒を塗った吹き矢などを隠し持っている)。
それではよそ者が始めて三孫でお酒を飲むにはどうしたらいいのか。しょうがない、この際だから君にだけ教えちゃおう。
その1 複数ではいること。(狭い店内一人だと本人も惨め、まわりも気まずい)
その2 どうしても一人で行きたいという人はココアに
相談すること。
その3 複数で入っても、初めおかみさんにちゃんと挨拶をすること。
その4 三孫にはこの店独特のシステムがあるから最初よく聞くこと。
その5 周りの客と話をするのは3,4回目以降。(新人は静かに飲んでとっとと帰る)
その6 おかみさんや常連に逆らってはいけない。(体育会系的上下関係がしきたり)
その7 以上の基本を守れば何とか酒は飲めるが油断しないこと。(毒の吹き矢が…)
その8 営業は5時〜8時半、支払いは注文時に現金払い。
女性が一人で来ることは可能か。確かに現在一人できている女性の常連もいるが、彼女も初めは男の同僚多数と来ていてだんだんと
常連になった。今でこそ彼女は店の雰囲気に溶け込んでいるが、
以前は店内に若干異様な緊張感が漂っていた。
店内の話題の99パーセントはギャンブル、スポーツ、女である。
たまに政治や宗教の話をして嫌われているやつもいるが。
やはり女一人でこの話題に入る事は難しいだろうし、男たちも
ちょっと気まずくなる。しかし、三孫は居酒屋であり酒を飲んで
楽しむところである、明るい女性たちがたくさん来て
(若けりゃなお良し)ワーワー騒いでくれるのは大歓迎だ、私は。
(三孫日記終り。 次回新連載お楽しみに)