4/8のねこさん 文は田島薫
ひとりぼっちのバット
ねこさんたちはごはんの時間に集まって来たり、だれかのそばで昼
寝したりもするけど、けっこうひとりでいることも多い。今、庭の
方を見ると、雨が降りそうな薄暗い道路の向こうのアパートの1台
しか止まってない自転車置き場前の縁石の上でバットがジッと横向
きに座ってる。
なんだかさびし〜感じの日だね〜、だれもここを通んないし、あん
ちゃんもどこ行っちゃったのかな〜、ここの屋根の上のおね〜さん
もいないよ〜だし、くいしんぼのあんにゃろみたいに、おばさんと
こにくっついてまわって、なんかおやつくれー、って言うほど、腹
へってないし、眠たくもないし、ただここで、ぼーっとしてるだけ、
ってわたいの暗い春の日。