5/21のねこさん 文は田島薫
ねこさんがうじゃうじゃ 7
先週はおふくろ関係の人間とつきあう週だったんで、ねこさんには遇わなかったもんで、
昨日の夕方、困った時のねこさんうじゃうじゃの家へ行った。生け垣の入り口にママチ
ャリ止めて向こうの玄関の方見ると奥さんの姿が見えたんで、こんちは、ってあいさつ
してそっちへ歩いて行こうとしたらすぐわきの廃屋の軒下の台に置かれた箱のふとんに
クロが寝てるのに気がついた。そっちへ行きクロの頭なでたり、目やにやはなをティッ
シュをなめてとってやってると、体の向き変えたりしたけど、けっこうおとなしくされ
るままでいた。笑いながら奥さんが寄って来たんで、クロやグレーや家ん中にいる毛な
がのねこさんの話を聞いた。
こ〜、きょうみたいにぽかぽかしてて静かな日、このベッドの昼寝は最高なんだね〜。
ぼくはほんとに静かなのが好きなんだ、遠くの方で木の葉のゆれる音なんかをうとうと
聞いてるのがさ。つってると、なんだか近くがなんとなく騒がしくなって来たね、なん
だかガタゴトって音したり、人間がなにか叫んだし、うっせーね〜、はやくうせればい
〜のにね〜、って言ってると、おいおい、こっち来たぞ、あり、やばい、逃げられない、
つーか、ぐったり体がくつろいじゃってたもんで、逃げる力がはいんない、おっと、頭
なでられた、気持ちわりーねー、ぼかー、頭さわられるのだいっきらいなんだ、おいお
い、こんだ、かおをこすってやがるぞ、まいったね〜、おばさんと話してるから、知り
合いらしいね、前にも来た人のような気もすっけど、うとうとしてるからよくわかんな
いね、とにかく、うとうとしながらちょっとのがまん、がま、が、ま、んんんん。